リーダーシップ

2026.03.31 16:52

リーダーの全盛期は意外と短い──「Peakspan」が示すパフォーマンス低下の真実

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効果的なリーダーシップには、身体、認知、感情のすべてにおける全面的な関与が求められる。この状態にあってこそ、リーダーは最適な成果を発揮し、適切な意思決定を行い、自身と組織のためにレジリエンスを築ける。

医療、テクノロジー、生活水準の進歩により、リーダーはより長く活動的でいられるようになった。19世紀半ば以前には30〜50年だった平均寿命は、現在では世界的に70年を超えている。

寿命と健康寿命の改善は、老化の測り方や語られ方を変え、労働市場に新たな力学をもたらした。

その結果、現代のキャリアの多くは、健康で高いエンゲージメントを保っていても、生物学的な能力のピークを下回る状態で過ごすことになる。リーダーはこのギャップを管理し、効果とインパクトを高い水準で維持しなければならない。

ピークパフォーマンスは、多くのリーダーが気づくより早く頂点を迎える

Aging and Diseaseの研究者らは最近、この動態をより適切に捉えるため、「Peakspan(ピークスパン)」という概念を提唱した。Peakspanとは、特定のシステムにおいて、個人がピーク機能の少なくとも90%を維持する期間を指す。

複数の生理学的領域にわたって見ると、その期間は多くの人が想定するよりも短い。処理速度、問題解決、ワーキングメモリといった流動性知能は、20代から30代前半に最高水準へ達することが多い。VO2 maxを含む心肺能力も同様の軌道をたどり、成人初期にピークを迎え、その後は着実に低下する。筋骨格の強さは20代から30代半ばにピークを迎え、以降は徐々に減少していく。

中年期に入る頃までに、多くの人は主要なシステム、特に認知と身体においてPeakspanをすでに過ぎている。それでも健康で、働く能力は十分にあるものの、ピーク能力を下回った状態で稼働している。

ピークパフォーマンスは、問題が表面化する前に低下する

リーダーがPeakspanを離れる移行は、ほとんどの場合、明白ではない。病気や機能不全から始まるのではなく、負荷がかかった状況での微細なパフォーマンス変化として現れる。こうした変化は、単体では見抜きにくい。

例えば、思考がわずかに遅くなることがある。過重な仕事量からの回復により時間がかかることもある。身体的アウトプットが期待を下回ることもある。これらはいずれも、ただちに日々のパフォーマンスを崩すものではないが、着実に積み重なっていく。

リーダーシップの現場では、こうした小さな能力低下が蓄積し、組織全体に波及していく。特にプレッシャーが強く、期待値が高い環境では顕著である。

ピークパフォーマンスは経済のアウトプットを左右する

経済のアウトプットは、労働力の機能的能力に依存する。生産性は、人々がどれほど良く考え、実行し、時間を通じて努力を持続できるかから生まれる。

寿命が延びてもピークパフォーマンスが延びないなら、労働力のより多くがピークを下回った状態で稼働することになる。年数は増えても、高い機能性を保つ年数は同じほど増えない。

今世紀半ばまでに6人に1人が65歳以上になると見込まれるなか、寿命の延伸はキャリアの長期化を意味し、組織に課題と機会の双方をもたらす。Peakspanを延ばすことは、労働力の潜在力を高める。高いパフォーマンスをより長く維持し、低下を遅らせ、キャリアにおける高達成の年数を増やすからだ。

組織と社会にとって、その経済的含意は大きい。同じ研究の推計によれば、生物学的な老化を1年遅らせるだけで、約37兆6000億ドルの価値を追加できる可能性がある。モデルは老化を広く捉えているものの、これは機能的能力を維持することの影響を示している。

ピークパフォーマンスは「管理すべき資産」である

リーダーは資産を精緻に管理する。資本を配分し、主要KPIを追跡し、関係性を育み、非効率を早期に是正する。

人の能力も同様に変化する。認知のアウトプット、身体能力、回復力、メンタルのレジリエンスはいずれも時間とともに移り変わる。これらは意思決定、プレッシャーへの対処、パフォーマンスの持続、組織の潜在力に影響する。

Peakspanは、その軌道を測定可能な形で捉える枠組みを提供する。パフォーマンスを「当然の一定値」ではなく、追跡し、延伸すべきものとして位置づける。

寿命が延びれば、キャリアも長くなる。ピークパフォーマンスの維持は、望ましいだけではない。戦略的優位になり得る。Peakspanを管理し延ばすリーダーは、より高い能力を持続し、長期的に独自の優位性を手にする。

forbes.com 原文

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