注目領域は「AI」と「エモーショナル」
──2026年の投資方針は。
長島:個人としては、AI領域への投資は引き続き積極的に進める。一方で、真反対の領域にも注目している。生成AIによりコンテンツが大量生産され、プラットフォームのアルゴリズムが届けるものを消費する──そういう世界が当たり前になっている裏側で、逆にエモーショナル、人の心を動かすものに人もお金も集まり始めている。投資先関連でも、ミラティブやウタイテ、パラレルを見ていると、その動きを強く感じる。AIによるコンテンツで溢れかえり、消費者が疲弊している中で、手触り感のある、人の温度感のあるものに人は惹きつけられている。ミラティブは2025年12月に東証グロース市場へ上場したが、スマートフォン1台で配信者と「一緒に遊ぶ」体験を提供するプラットフォームとして、まさにその流れの中にある存在だと言える。
エモーショナルな領域に注目する理由は、感覚的な話だけではない。熱狂的なファンがつきやすく、サービスへの強いロイヤルティが売上の安定や口コミによる成長につながる。また、「人のためになっている」と実感できる事業には、時代やトレンドを問わず、優秀な人材が集まってくる。事業のビジョンに共感して人が集まるため、例えば採用にかかるコストを抑えられる。投資家目線で見ても、エモーショナルな領域に張る合理性は十分にある。
加えて、AI領域とは無関係のテーマにも目を向けたい。例えば、食料問題だ。日本の食料自給率を上げるために、地道に野菜や魚や肉を生産する──そうした事業にも大きな意義がある。「AIの波」には絶対に乗らなければならないが、偏重せず、社会に不可欠な課題を解決する領域にも同時に投資していければと考えている。
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