経営・戦略

2026.04.23 17:15

「土の味」「クセ強」なのに売上4年で3倍、名ソムリエも激賞の琉球泡盛世界へ!

琉球泡盛「白百合」HPより

<なぜ池原酒造は勝てたのか>

advertisement

池原酒造のV字回復は、決して運ではありません。彼らは、不確実な未来を予測するのではなく、手元の資源を使って未来を構築したのです。ここで改めて、エフェクチュエーションの5つの原則に整理してみましょう。

第1に、手元の鳥。癖が強いという負の評価を、アイラ・モルト同様の唯一無二の資産と再定義し、強みを見える化することから始めました。

第2に、許容可能な損失。数量限定のコラボやクラウドファンディングを活用し、致命傷を負わない範囲で、お金をかけずに小さく実験を連発しました。

advertisement

第3に、クレイジー・キルト。職人、研究者、キャンパー、nomaのソムリエ。共通の価値を創るパートナーを網の目のように増やし続けました。

第4に、レモネード。失敗作の油っぽさを、チョコレートとのペアリングという視点で「至高の価値」へと転換しました。

第5に、飛行中のパイロット。市場予測に一喜一憂せず、自らが飲用シーンや付加価値を創り出すことで、自社の未来を操縦しました。

伝統産業の希望

この4年間、私は池原さんの隣で、多くの試行錯誤を共にしてきました。石垣島の小さな住宅街にある社員3名の蔵から、世界が認めるラグジュアリーが生まれる過程を目の当たりにして感じたのは、理論は、情熱を加速させるための地図であるということです。

多くの地方企業や伝統産業が、需要が減っている、大手には勝てない、若者の酒離れだと外部環境のせいにし、予測という名の絶望に沈んでいます。しかし、池原酒造が証明したのは、自らの足元にある鳥を信じ、予測することをやめ、自らハンドルを握ることの圧倒的な力です。

写真提供:池原酒造
写真提供:池原酒造

うちの商品には癖がありすぎる。市場に受け入れられない。

もしあなたが今、そう悩んでいるなら、それはチャンスかもしれません。その癖こそが、予測不能な時代において、他社が決して真似できない最強の武器になるのですから。

池原酒造の物語は、まだ終わりません。石垣島で今日も立ち昇る、直火蒸留の煙。それは、日本の伝統が、そのありのままで世界を書き換えていく、希望の香りです。

さて、あなたの手元にある、今はまだ癖だと思われている鳥は、どんな可能性を秘めているでしょうか。

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事