経営・戦略

2026.04.23 17:15

「土の味」「クセ強」なのに売上4年で3倍、名ソムリエも激賞の琉球泡盛世界へ!

琉球泡盛「白百合」HPより

クレイジー・キルトの拡大。ICCでのグランプリと新たな繋がり

エフェクチュエーションのもう1つの原則が「クレイジー・キルト」。現存の顧客、競合、パートナーを基点に、パッチワークのように、彼らと現存の資源、ネットワークを掛け合わせることで価値を共同創造しようとするアプローチです。

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ここまでにご紹介した一つひとつの挑戦を通じて、池原酒造の周囲にもこの「クレイジー・キルト」が広がっていきました。あらかじめ決まったゴールに向かって進むのではなく、出会ったパートナーと手を組みながら、パッチワークのように未来を構築していくプロセスです。

そのキルトをさらに巨大なものにしたのが、日本最大級のビジネスカンファレンス、ICC(Industry Co-Creation)サミットへの参加でした。池原さんはそこで開催されたサケアワードに登壇。全国の名だたる酒蔵が並ぶ中、白百合の持つ唯一無二のストーリーと味わいをプレゼンテーションしました。

結果、並み居る強豪を抑え、見事にグランプリを獲得したのです。

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この受賞は、単なる名誉に留まりませんでした。会場に集まっていたトップ経営者やクリエイターたちとの間に、次々と新しい繋がりが生まれ、そこから新しい顧客の開拓に繋がっていったのです。こうした情報発信から、さらに最も注目される高級シェア別荘、ノットアホテル(NOT A HOTEL)とのコラボレーションにまで発展していきました。石垣島の小さな蔵が、最先端のラグジュアリー市場へとその手を伸ばした瞬間でした。

世界一のレストラン、nomaとの遭遇

そして、この網の目のような繋がりが、ついに世界トップのソムリエを石垣島まで引き寄せる最大の引力となりました。nomaのソムリエが最も驚いたのは、出荷前の完成された泡盛ではなく、蒸留直後の、まだ濾過も熟成もされていない荒々しい状態の酒でした。

これこそが、命の味だ。このエネルギーを、京都のゲストに届けたい。

ありのままの個性を肯定し、偶然の出会いを歓迎し続けてきたからこそ、この世界的なチャンスを掴み取ることができたのです。

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