街の再開発でよく目にする完成予定図。美しい街並みや公園に人々が楽しげに集う理想の光景が描かれているが、そこにベビーカーを押す家族を描き加えるだけで、その魅力がぐっとアップすることがわかった。
NECと明治大学の共同研究グループは、現在、自治体や都市開発事業者がしのぎを削る都市ブランディングにおいて、完成予想図の描写に関する研究を行った。この図は都市の魅力を直感的に発信するものだが、そこに描かれる人物の影響に関する知見が十分にない。
マーケティング・コミュニケーションでは、消費者は、商品やサービスよりも、それを利用している登場人物に注目する傾向があると言われている。そこで研究グループは、ベビーカーを描き入れるかどうかで完成予想図の印象に変化があるかを調査した。
まったく同じ公園の完成予想図で、ベビーカーを押す家族が描かれていないものと描かれたものを用意し、2つのグループに分けた実験参加者に、いずれか片方を提示して街の魅力度を評価してもらった。
すると、ベビーカーがあるほうが、ないほうに比べてほぼ10ポイント魅力度が高くなることがわかった。男女、年齢に関係なく、ベビーカーが描かれたほうが魅力度が高く示されたが、男性よりも女性、年配者よりも若者にその傾向はやや強く表れた。
面白いことに、公園に関心がない人、あまり公園を利用しない人たちでは、ベビーカーによる効果は普段利用する層に比べて、このことが「都市の潜在的な参加者層の拡大に寄与する」と研究グループは語っている。

さらに、「子どもや子育て家族の存在が街の活気を象徴し、心理的な参入障壁を下げる」という。さて、今後の都市開発事業の完成予想図に、ベビーカーが多く描き加えられるようになるか、注目だ。
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