製品

2026.04.01 07:30

なぜ9万円のヘッドホンが売れるのか──AirPods Max 2が提示するウェアラブルAIという新市場

アップルが4月1日に発売するワイヤレスヘッドホン「AirPods Max 2」。税込8万9800円という価格に見合う本機の真価を探る

さらに注目すべきは、Apple Intelligenceとの連携による「ライブ翻訳」機能だ。iOS 26.4以降にアップデートした、Apple Intelligenceに対応するiPhoneと組み合わせることで対面での会話をリアルタイムで翻訳。AirPodsから音声を聴いて、外国語による会話の内容を理解できる。2025年後半から強化された日本語対応の精度も高く、外国語のスピーチや商談を聴き取る際の強力なビジネスツールとなるだろう。

advertisement
翻訳のスピードと精度も向上している「ライブ翻訳」の機能。英語以外にも様々な言語をサポートする
翻訳のスピードと精度も向上している「ライブ翻訳」の機能。英語以外にも様々な言語をサポートする

ライブ翻訳は英語の他にも、2026年4月時点でイタリア語/スペイン語/ドイツ語/フランス語/ポルトガル語/中国語/韓国語をサポートしている。自分が修得していない言語を公用語とする海外の地域に出かける際も、AirPodsシリーズによるサポートがあればとても心強い。

ウェアラブルAIコンピュータとしてのAirPods Max

Apple H2は、かつての上位モデル向けiPhone用SoCであるA12やA13 Bionicと同じ7ナノメートルプロセスで製造され、約10億個のトランジスタを搭載する。より複雑なOSを動かし、動画撮影やゲームなど幅広い用途に対応するスマートフォン向けSoCと単純に比較することはできないが、H2もまた音響処理やアクティブノイズキャンセリング(ANC)、音声コミュニケーションといったリッチなオーディオ体験の実現に向けて、大きな演算リソースを集中的に投入した特化型の高性能チップだ。高い処理能力を持ったことにより、少ない電力で高度な計算ができるようになり、ノイズキャンセリングと外部音取り込みの強化、その他の多彩な機能追加を同時に果たした。

AirPods Max 2は初代のモデルからまた大きく進化した手応えがある
AirPods Max 2は初代のモデルからまた大きく進化した手応えがある

AirPods Max 2は、音楽鑑賞という枠組みを超え、アップルが培ってきたコンピュテーショナルオーディオの技術を凝縮した新たなフラッグシップだ。9万円に迫る価格は決して安くはないが、趣味としてのコンテンツリスニングからビジネスにおけるコミュニケーションまでを1台で担える性能を備えている。今後、Apple Intelligenceによる音声AI関連の機能が統合されていけば、ウェアラブルなAIコンピュータとして独自の地位を確立していく可能性も高い。

advertisement

上質な音響コンポーネントと最先端のAIコンピューティングが融合することで、「いい音」の基準そのものが再定義されつつある。その最前線に立つAirPods Maxは、ユーザーの投資に見合う価値を明快に提示するスマートデバイスだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
過去記事はこちら>>

編集=安井克至

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事