2030年以降にISS(国際宇宙ステーション)の廃棄が予定されるなか、米国ではその代替となる民間(商業)宇宙ステーションの開発・製造プロジェクトが進められている。しかし、NASAは3月24日、政府が所有するコアモジュールを新たに調達(民間事業者に発注)し、ISSの船首にドッキングすることを発表した。
政府所有のコアモジュールは、ハブ(接続部)としての役割を果たし、これを介して最大2機の民間モジュールがISSに接続される。同モジュールには推進制御装置や生命維持装置などが搭載されるため、民間モジュールにはそれらの装備が不要となり、ステーション事業への新規参入が容易になる。
NASAは翌25日、この新プロジェクトに対するベンダー(事業者)からの意見を集めるためのRFI(情報提供依頼)を提示した。6月にRFP(提案依頼)を提示し、価格・仕様などを含めた具体的なプランを事業者から募る予定だ。ただし、今回の発表では同プロジェクトの概要のみが示され、詳細は不明のまま。米議員や業界からは同計画に対する疑問の声も上がっている。
需要がない宇宙ステーション

3月24日に開催されたNASAのプレスイベント「イグニッション」では、同プロジェクトのスケジュールも示された。それによると、事業者から提示されたプランをもとに、2028年半ばに選定モデルの絞り込みが開始され、2031年中に最終選定される。
また、最大2機の民間モジュールが接続した政府所有のコアモジュールは、ISSの運用が停止される際にはISSから切り離され、自律的な新宇宙ステーションとして運用される。それを実現するには、太陽電池パネルとラジエータ(熱放射パネル)を搭載した「パワー&クーリング・モジュール」(PCM)を新たに開発・製造し、ISSの退役前に政府所有のコアモジュールへ接続する必要がある。PCMは政府所有ではなく、NASAが民間の事業者から開発・製造を募る予定であり、その機種選定の絞り込みは2030年から2033年が見込まれる。であれば、実運用はおそらく2035年を過ぎるだろう。





