ふるいにかけられるプロバイダー

新たなコアモジュールの開発・製造は事業者に発注されるが、すでに遅延している民間ステーションのプロバイダーと重なる可能性が高いことから、その生産能力が危惧される。
また、今回発表された政府系コアステージが、アクシオム・ステーションと同様、ISSの船首に接続する予定であることから、カンファレンスの参加者からは「特定の事業者に限定した募集ではないか」との質疑もあったが、NASAはこれを否定。多数の企業からの入札があることを期待していると述べた。ただし一部では、アクシオム・ステーションの初期モジュール(PPTMやHB-1など)をNASAが買い取り、それを政府系モジュールとして代用するのではないかとの憶測も根強い。
政府所有のコアモジュールのプランが進行した場合、今後予定されるCLD計画のフェーズ2では、最終契約に至る企業が当初予定(最低2機)よりも減ると予想される。もしくはNASAから支給される支援金が減額される可能性が高い。その結果、ある程度の経済的な自律運用が見込めない民間ステーションは、計画自体がキャンセルされるだろう。
CLD計画のフェーズ2の要件は2025年中に発表されるはずだったが、現在に至るまで延期され続けている。当初、この遅延はトランプ政権によるNASA予算の大幅削減案や、NASA職員のレイオフ、2025年10月の政府機関の閉鎖などが主な理由と考えられたが、今回のイベントによって、CLD計画を取り巻く状況がより複雑であることが明確になった。モンタルバーノ氏は「CLD計画は中止しない」としたものの、CLD計画の今後はさらに不明瞭になったといえる。
今回のイベント直後、2029年に「スターラボ」を打ち上げようとしているボイジャー社の株価は急落した。ただし、NASAのこの新プロジェクトの詳細がいまだ不透明なことから静観する投資家も多く、その他プロバイダーの株価には大きな変動は見られていない。また、翌25日には米下院の科学・宇宙・技術委員会による公聴会が開かれ、NASAに対して同プロジェクトの詳細や、既存のCLD計画に与える影響、リスク、予算などが問いただされたが、多くの議員や業界関係者からは同計画自体に対する疑念の声も挙げられている。


