ベルナルド・カンペロは、Prepviaのイノベーション責任者である。
ここ数年、多くの企業が新しいテクノロジーを次々と導入してきた。私の見るところ、そうした適応力こそが、いまの企業の健全性を左右する鍵である。
かつて企業は安定性に頼ることができたかもしれないが、いまや安定性だけでは十分ではない。新興企業も老舗企業も、テクノロジーとともに進化する方法を学ばなければならない。
ビジネスにおける「伝統」の罠
これは特定の業界に限った話ではない。あらゆる業界に当てはまる。
このテクノロジーの新時代において、古い企業は、進化に消極的で伝統的なモデルに固執すれば、若い企業に追い越されるリスクがあると私は考える。
伝統はもはや主要な優位性ではない。伝統は文化へと変わる。そして文化は、誰かが能動的に守り続けてこそ生き残る。時間とともに文化は薄れていく。本当に重要なのは、いまの自分が何者であり、いまどのように事業を営んでいるかだ。
テクノロジーは最良の友にも、最悪の敵にもなり得る。ビジネスモデルも同様である。かつての中核的な強みが、瞬く間に最大の弱点になり得る。テクノロジー、文化、影響力、地位——こうしたあらゆるものが、ある日を境にあなたに牙をむくことがある。
私たちは完全に接続された世界に生きている。接続性が高まるほど、文化的差異は企業を守る障壁として機能しにくくなる。本当にあなたを守るのは適応力である。
適応力とは、アイデンティティを捨てることではない。新しいものを見極め、どう改善すべきかを理解し、過去には通用したがいまは役に立たない思考に囚われない能力である。
適応の遅れがもたらす帰結
適応力よりも伝統の維持を優先してきた創業104年の企業、ジャガーを例に取ろう。
Torque Newsによれば、ジャガーの大きな問題の1つは、若年層の消費者を十分に早い段階で狙わなかったために、顧客層が先細りしていったことだった。新しい世代に向けた訴求には年単位の時間がかかる。一夜にして切り替えられるものではない。
多くの人にとって、ジャガーは一貫して進化してきたブランドには見えなかった。ようやく若い層へ舵を切ろうとしたとき、その変化は唐突に映った。時間をかけて築いたつながりには見えず、会社が突然、別の層に受けようとしているように見えたのである。
その結果、従来の顧客の一部を失う一方で、新しい顧客層も変化を完全には受け入れなかった。Motor1によれば、ジャガーの昨年の販売台数は3万3000台にとどまった。2018年に18万台超を販売していたことと比べれば、82%減である。適応の遅れがもたらすのは、まさにこうした結果だ。
「自分は何も知らない」と知ること
いまの企業にとって最大級の危険の1つは、「私たちはすでに仕組みを理解している」という思い込みである。多くの企業は「このモデルは何年も機能してきたのだから、なぜ変える必要があるのか」という罠に陥る。
問題は、その確実性の想定が遅れを生むことだ。そして変化の速い環境では、遅れは衰退になる。
驚くべきことに、この変化への抵抗は文化的・戦略的なものにとどまらず、神経学的なものでもある。私たちは、絶え間ないスクロール、即時の情報、短い注意サイクルの世界に生きている。脳はスピードと新奇性に適応する。献身、深い集中、長期的思考には、かつてないほどの努力が必要だ。
注意散漫の度合いが高まっていることは、至る所で見て取れる。会話に完全に集中することや、新しいアイデアに心を開いていることすら、多くの人にとって難しく感じられる。そして、まさにそこに機会がある。
勝つのは、自分がすべてを知っているとは思わず、学び続けるだけの飢えを保つ企業である。そのマインドセットこそ、適応力の出発点だ。
一歩ずつ
適応力はどう築くのか。屋根からではなく、土台から築き始める。
最初の一歩は好奇心である。好奇心は、リーダーが持ち得る最も強力な資質の1つだ。それは、自分の問題を理解し、欠点を認識し、それをどう改善できるかを問うことを意味する。問題解決者であるというだけでも、伝統より強くなり得ることの証明になる。
文化は重要だが、文化だけではもはや優位性にならない。ときに文化は、過去の記憶に過ぎないものになる。あなたを適応的にするのは、新しい問題を解くのに十分な好奇心を保つことだ。
情報への渇望を持ち始めよ。注意を払い始めよ。
本当の問題を理解して初めて、適応が始まる。適応は1日で起きるものではない。一歩ずつ進むことで起きる。変わるのに遅すぎることはない。歩き出すだけでよい。
歩いているだけなら、崖から落ちることはない。
もし明日ミスをしても、修正できる。それが適応である。何が変わっているのか、人々が何を求めているのか、どんな新しい課題が立ち上がっているのかを理解し、それに応じることだ。
適応力とは、理解し、解決し、実装することを意味する。努力が必要だ。足並みをそろえることも必要だ。ある部門が変化を望む一方で別の部門が抵抗すれば、会社は異なる方向へと引き裂かれる。
しかし、組織全体が、新しい問題をともに改善し解決することに集中しているなら、それこそが真の企業の健全性である。そうして企業は、すでに陳腐化した何かに足止めされることなく、次の10年へ前進できるだけの強さを身につける。
そしてその地点に到達したとき、危機を乗り越えながら繁栄し、成長し続けるのに十分なレジリエンス(回復力)を手にしている。



