2. 賢い人はあらゆる結果を過剰に分析する
知的な人は複雑なシナリオで考えやすい。複数の変数、長期的な帰結、見えにくいトレードオフまで考慮する。この能力は戦略的な文脈では有益だが、日常の意思決定を不必要に難しくしてしまうこともある。
2023年の研究は、最大化志向の人が選択肢間で広範な比較を行うことで、意思決定の難度と心理的負荷が高まることを示している。この絶え間ない比較は、意思決定を遅らせる複数の心理過程を引き起こす。
・情報過多:あまりに多くの選択肢を評価すると、認知資源が圧迫される
・仮想的思考:起こり得る結果をすべて想像することで、熟考が長引く
・トレードオフへの過敏さ:微細な違いに気づくほど、選択がよりリスキーに感じられる
こうした要因により、数分で済むはずの決定が、数時間、時には数日へと伸びていく。さらに重要なのは、脳があらゆる選択を「重大事」として扱い始める点だ。どのノートPCを買うか、どの部屋を借りるかといった些細な決定でさえ、このレンズを通すと人生を左右する一手のように感じられる。その結果、意思決定は認知的に疲弊し、感情的にも消耗するプロセスになる。
3. 賢い人は決定後の後悔が強いものになりやすい
分析的な人の多くは、決定を下した後も苦しみが終わらない。むしろ不快感の本番は、選んだ後に始まることが多い。先の2002年の研究は、最大化志向の人が、満足化志向の人に比べて、後悔や上方比較(自分より良い状態の他者と比べること)を有意に起こしやすいことを示した。決定後も最大化志向の人は代替案を監視し続けがちである。
例えば次のように自問する。
・「もっと良い選択肢を逃したのではないか」
・「別の選択のほうがうまくいったのではないか」
・「最適な意思決定ができたのか」
最大化志向の人は、自分の選択に関するフィードバックに特に敏感だ。新しい情報によって別の選択肢のほうが良かった可能性が示されると、それを「自分が間違えた証拠」と解釈しやすい。こうして自己疑念と再考のサイクルが生まれる。決めた後に安堵するどころか、選ばなかった道に精神的に結びついたままになる。
一方、満足化志向の人は、決定に心理的にコミットし、すべての代替案を再点検せずに前へ進みやすい。この違いは、「十分に良い」で手を打てる人ほど、長期的に高い満足を報告しやすい理由の一端を説明している。


