AI

2026.03.30 14:00

「人の脳をAIの設計図に」暗号資産億万長者が1600億円を投じる挑戦

stock.adobe.com

アーカンソーでシングルマザーに育てられた叩き上げのマケーレブは、現代のテクノロジー億万長者の典型例に当てはまる。未来志向で、資本は潤沢、そして安全策にこだわることに我慢がならない。賭け金は小さくない。Astera Instituteでは、10億ドルのAGIプロジェクトに加え、神経科学に6億ドル(約962億円)を拠出すると誓約している。さらに南カリフォルニアの宇宙企業Vastにも週に数日を割く。Vastは国際宇宙ステーションの代替を目指しており、フォーブスは同社が企業価値20億ドル(約3200億円)で資金調達を進めていると最初に報じた

advertisement

「暗号資産は、ある意味で大きな寄り道だった」とマケーレブは語る。「ずっとAIに取り組みたいと思っていたが、(暗号資産から)一歩引いて……ようやく本当にチャンスが巡ってきた。AIは人類がこれまでに生み出すものの中で最も変革的なものになると思う。だからこそ、取り組む価値が最もある」

マケーレブは2020年、配偶者のシーメイ・チョウ(カリフォルニア大学サンフランシスコ校の元生物学教授)とともにAstera Instituteを設立した。昨年2人は、2010年にビル・ゲイツ、メリンダ・フレンチ・ゲイツ、ウォーレン・バフェットという億万長者の慈善家たちが慈善目的で設立したGiving Pledgeを通じ、資産の大半を寄付することを誓約した。

AGIの面では、マケーレブが最初に大物として採用したのは、元DeepMind幹部のディリープ・ジョージである。ジョージはこれまで、2つのAI企業を共同創業してきた。1つはAlphabet傘下のGoogleに買収されたVicarious AI、そしてそれ以前には、PalmPilotの生みの親ジェフ・ホーキンスと立ち上げた、神経科学に焦点を当てた初期のAI企業Numentaである。

advertisement

ジョージは今年、研究所を30人の研究者へと拡大したい考えだ。採用が最優先事項である。Asteraは、OpenAIや大手テック企業が提示する巨額の報酬パッケージには太刀打ちできない一方、ミッションに突き動かされる研究者を狙っている。

次ページ > 脳に着想を得たAIこそ、より安全なAIへの道筋だ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事