欧州

2026.04.02 10:00

ロシア無人機部隊の女性兵士 保守派が圧倒的な社会で伝統に立ち向かう

ロシア西部マリーエル共和国の首都ヨシュカル・オラで、第二次世界大戦の対独戦勝記念日の軍事パレードで行進するロシア陸軍の女性将校。2018年5月9日撮影(Mordolff/Getty Images)

とはいえ、ベンデット上級研究員が指摘するように、そのような女性はごく少数派だ。「ロシアには現在、数千人もの無人機操縦士がいるが、女性が占める割合はごくわずかだ」

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その役割を担う準備ができており、能力も十分にある女性がいないわけではない。ロシアが伝統的な価値観を重んじていることが、妨げとなっているのだ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、こうした価値観を擁護している。

ベンデット上級研究員は「過去20年間で女性の生活の質には一定の向上が見られたものの、全体として見れば、社会における男女の役割に関する保守的な価値観が依然として根強く残っている」と指摘する。

メッセージアプリのテレグラムでは最近、女性無人機操縦士について意見を募る公開討論が行われた。コメントの大半は否定的で、最も多くの賛同を集めたのは「99%は耐えられないだろう」というものだった。そのほかにも、最前線に立つ女性を「皆の足手まといだ」「船の上と同じで、女は役に立たない」とやゆする声があったほか、女性の弱さに対する性差別的な発言も散見された。

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一方、実際に女性無人機操縦士と任務に就いたことのある男性からは、肯定的な意見が寄せられていた。ベンデット上級研究員は次のように指摘する。「要するに、男性は、最前線は女性の居場所ではないと考え、女性は男性の気を散らせ、不必要なストレスや後方支援の負担をもたらし、事故の原因になる可能性があると考えているのだ。前線で女性と肩を並べて戦った経験のある男性は、戦闘における女性の役割を理解しているかもしれないが、そのような意見は少数派だ」

伝統的な性別役割に対する考え方が根強く残る報道

ロシアの指導部は、偏見ではなく戦場での実績に基づき、より進歩的な見方をしているようだ。ベンデット上級研究員によると、一部のロシア軍将校や指揮官は、女性無人機操縦士は細部にまで注意を払い、特定の無人機を操作する際の反射神経も優れていると評価している。

ロシアは現在、無人機を専門とする軍の独立した部門の人員を募集している。ベンデット上級研究員は「ロシアの無人システム部隊が人員を増強するに当たり、この募集に関する公式広告の中には、募集イベントに参加する女性を起用したものもある」と語る。

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翻訳・編集=安藤清香

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