リーダーシップ

2026.03.28 23:47

度重なる試練が教えてくれた、リーダーと企業文化の本質

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ポール・ホッジはWorld AmenitiesのCEO。人を第一に考える経営手法と、急速に変化する環境下での企業成長で知られる。

今年、エグゼクティブ教育プログラムに参加したとき、私はフレームワークや戦略ツールを期待していた。だが、長年拠り所にしてきた前提、とりわけ採用や企業文化、そして不確実性が長期化する局面でのリーダーシップに関する前提のいくつかを揺さぶられる体験になるとは想像していなかった。

プログラムを通して繰り返し浮かび上がったメッセージがある。チームの強さは、会社の強さと同じくらい重要だということだ。起業家は往々にして、製品の完成度、価格戦略、市場適合性の見極めに膨大なエネルギーを注ぐ。しかし、ビジネスの持続性を左右するのは人材であり、彼らがどう考え、協力し、困難な局面でどう行動するかにかかっている。

適切なチームを採用することの重要性

あるセッションでは、ほとんどの創業者は、起業当初のチームのまま旅路を終えることはほぼない、という考え方を検討した。初期段階の従業員は、事業をスケールさせる局面で同じように力を発揮できる人材とは限らない、という主張である。文脈は理解できたが、私は同意しなかった。私の経験では、ミッションを重んじる初期採用の人材は、適切な支援と権限を与えれば、長期的な貢献者へと成長できる。

とはいえ、ある教訓は深く刺さった。創業者は必ずしも採用が得意ではないということだ。私自身、そうではなかった。私は関係構築や人とつながることは得意だが、採用に必要なのは客観性である。採用プロセスを、その領域により長けたリーダーたちに委ねたところ、組織はより強く、より規律あるものとなり、文化的な結束力も増した。委任とは、ビジネス上の手段であると同時に、創業者の自己認識の一形態にもなり得るのだと学んだ。

このプログラムは、ここ数年で私が培ってきた信念を改めて強化してくれた。強い企業文化は競争優位になるという信念だ。人々が働くことを楽しんでいれば、より長く在籍し、より効果的に協力し、より創造的に問題を解決する。振り返れば、私は1000万ドルの追加収益よりも健全な企業文化を選ぶだろう。数年前ならそうではなかったかもしれないが、経験はリーダーの優先順位を変えるのだ。

最悪のシナリオを想定する

この価値観の変化の多くは、ビジネスが繰り返し試される、長期にわたるストレスの時期から生まれた。最近参加したセッションでは、自社に「ストレステスト」を行うことが推奨された。最悪のシナリオを想定し、自社のシステムがそれに耐えられるかを見極めよ、という考え方である。議論自体は仮定の話だったが、私の経験は仮定ではなかった。

新型コロナウイルス感染症は2020年、ホスピタリティ業界を急激かつ深刻に直撃した。需要は消え、売上は急落した。私たち全員にとって試練の時期だった。回復期に入ると、業界はディスペンサー式への移行が進み、当社の製品ラインの半分が一夜にして不要になった。再建を果たすと、今度は関税が急上昇し、コストと収益性に打撃を与えた。勢いを取り戻すたびに、新たな混乱が生じた。

このサイクルは重要な教訓を私に教えた。自社でストレステストを行わなければ、いずれ実際の市場環境がそれを行う。そしてそのとき、マインドセットと企業文化は、バランスシートと同じくらい重要になる。

この期間を通じて、私はストレスとの向き合い方を見直さなければならなかった。警告サインとして捉えるのではなく、方向転換のシグナルとして扱うようになったのだ。2020年以前、「ピボット」は流行語のように思えた。2020年以降、それは必要不可欠なものとなった。確実性よりも冷静さが重要になり、完璧さよりも前進が重要になった。

逆境と機会のつながり

こうした教訓は、機会への向き合い方にも影響を与えた。ここ数年、私は新たな業界へと事業を広げてきた。食品、子ども向け製品、セキュリティである。一見すると無関係に思えるが、共通するスキルセット、サプライチェーンへの理解、物流、そして大量生産品をスケールさせる力によってつながっている。直面した逆境がなければ、私はこれらの分野を追求しなかったかもしれない。

エグゼクティブ教育プログラムと個人的な経験の両方から強化されたもうひとつの教訓は、リーダーシップには脆弱性を見せることが必要だということである。パンデミックの初期、チームをパートタイム勤務に縮小せざるを得なかったとき、私はすべての答えを持っていなかったため、率直に状況を共有した。前へ進むために自分にできることはすべてやるつもりだった。チームが踏みとどまってくれたのは、私が誠実さを実践したからだ。

他のリーダーへのアドバイス

いま創業者にアドバイスするなら、まず最悪のシナリオを思い描いてもらう。そして、自社の企業文化、システム、マインドセットがそれに耐えられるかを問うてもらう。耐えられないなら、その試練が訪れる前にレジリエンスを構築すべきだ。

リーダーシップとは、恐れ知らずであることではない。適応する姿勢を持ち、耳を傾け、必要なときにはコントロールを手放し、周囲の人を信頼することである。世界は今後も新たなストレステストをもたらし続ける。企業の未来を決めるのは、リーダーがそこから何を学ぶかである。

forbes.com 原文

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