製造元のレイセオン(現RTX)は2024年3月、保管中のトマホークの寿命延長を図る契約を獲得した。総額2億8700万ドル(約460億円)をかけて、ミサイル166発の「今後15年間の運用準備態勢を確保する」という内容だ。つまり、発射ボタンを押したら確実に爆発する状態を保つためだけに、1発あたり170万ドル(約2億7200万円)もの追加費用を投じるということである。この作業はこの3月末までに完了を予定しており、イラン攻撃のタイミングに辛くも間に合ったといえる。
古くなったミサイルを完全に機能させるために、多大な労力が注がれているのは明らかだ。しかもその計画は、1発あたり170万ドルを投じてさえ完全に成功したとはいえないようだ。
We have added seven images showing the remains of four separate RGM/UGM-109 Tomahawk Land Attack Missiles allegedly used in recent U.S. strikes in Nigeria. It appears their WDU-36/B warheads failed to function in all four instances.
— Open Source Munitions Portal (@MunitionsPortal) January 9, 2026
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問題は信管だけではない。多くの兵器と同様に、保管や輸送中の安全を確保するためトマホークには「安全起爆装置」が搭載されており、発射後でなければ爆発しないようになっている。
爆弾などの起爆は投下直後に行われるが、巡航ミサイルは飛行時間が長いため、操作手順がより複雑だ。ミサイルが発射管から射出され、安定した飛行状態に達し、さらに安全な距離まで離れてから起爆させる。また、ミサイル誘導コンピューターから目標に到達したとの信号を受信する必要もある。この仕組みにより、目標に向かう途中で他国の領空を通過したり、コースを大きく外れたりした場合でも、ミサイルが爆発しないようになっている。
1991年の湾岸戦争では、トマホークの「成功率」は85%と報じられた。15%の「失敗」には、発射管から射出されない「発射不良」、エンジンが点火しない「ブースター不良」、誘導システムやエンジンが故障する「飛行中の不良」、そしてミサイルが爆発しない「最終段階の不良」など、着弾までのあらゆる段階が網羅されていた。トマホーク・ミサイルには「自己破壊機能」も搭載されているが、これも明らかに作動しないことがある。
私たちが目にする失敗は最終段階のものだけであり、そこまで到達できなかったミサイルが何基あるかはわからない。トマホークの信頼性については、最近の米国防総省や米会計検査院(GAO)の報告書では議論されていないようだが、近年のミサイルは湾岸戦争の「砂漠の嵐」作戦で使われたものより信頼性が高いと考えられている。ネット上には失敗率を25%とする情報もあるが、確かな数字ではない。外部の人間が把握している以上のミサイルが失敗している可能性もある。


