──催涙ガスは衣類や身の回り品、室内空間にどれくらい残留するのか。
アティ医師:換気の悪いアパートなどの閉鎖空間では、石けんと水で洗浄しない限り、これらの化学刺激剤が衣類や物品に数日から数週間残留する可能性がある。強く汚染された物品を安全に処分する方法については、地域または州の保健当局に助言を求めることができる。
──催涙ガスは子ども、喘息患者、高齢者に深刻な害をおよぼしうるのか。
アティ医師:これらの化学剤が重篤な健康影響をもたらさないという主張は、その多くが1950〜60年代の実験動物や、若く健康な男性を対象とした研究に基づいている。より若い人や高齢者、慢性疾患のある人は研究対象ではなかった。閉鎖された場所での曝露や、高温多湿の気象条件ではリスクが高まり、特に喘息患者や呼吸器の問題を抱える人にとって危険性が増す。
催涙ガスは空気より重いため、地面近くに滞留しやすい。これは、子どもは体が小さく呼吸数が多く、体重あたりの吸入空気量が成人より多いことから、幼い子どもをより高いリスクにさらす可能性がある。高齢者や障害のある見物人、近隣住民は、影響区域から迅速に離れることが身体的に困難な場合がある。曝露の影響を受けやすい可能性もある。
また、暴動鎮圧用化学物質はしばしば群衆に向けて発射される投射体に詰められたり、手投げ式のスタングレネードで散布されたりするため、化学的影響に加えて身体的な負傷を引き起こしうる。使用によって群衆がパニックとなれば、踏みつけられる人も出かねない。
──曝露によって長期的な影響が生じる可能性はあるのか。
アティ医師:その点に関するデータは限られている。これまでに公表されたわずかな研究も結論が一致していない。治療上の利益がなく、短期または長期の害をもたらしうる刺激性化学物質の異なる量を、被験者に無作為に割り当てるのは倫理的に許されない。しかし、症状が重く医療を要した曝露者の抗議参加者を対象に、適切に設計した長期の観察研究を行うことは可能かもしれない。もっとも、法的または政治的な影響を恐れて参加を辞退する人が多い可能性がある。
──読者が知っておくべきことはほかにあるか。
アティ医師:催涙ガスは1914年に、塹壕などの隠れ場所から兵士を「燻り出す」目的で最初に開発され、投入された。1997年には化学兵器禁止条約(CWC)により、戦争での使用が禁止された。しかし、CWC第II条9項は「国内の暴動鎮圧目的を含む法執行」のための使用を明示的に認めている。
※この対話は明確さのために編集・要約している


