エヌビディアの答えはNemoClaw
OpenClawの爆発的な成長は、あらゆる企業のIT部門がすぐに認識する問題を生んだ。ガバナンスもサンドボックス化もプライバシー管理もないままエージェントが本番データにアクセスすることは、どの企業にとっても抱えきれないリスクとなり得る。
これに対するエヌビディアの答えが、GTCで示された。NemoClaw(ネモクロー)だ。
企業が必要とするプライバシーおよびセキュリティの基盤を追加
NemoClawはOpenClawにコマンド1つでインストールでき、自律型エージェントに本番データを預ける前に、企業が必要とするプライバシーおよびセキュリティの基盤を追加する。テック系メディアTNWによると、その中核コンポーネントはOpenShell(オープンシェル)という新たなオープンソースのランタイム(実行環境)で、プロセスレベルでエージェントをサンドボックス化する。
OpenShellは、エージェントがどのようにデータへアクセスし、どのようにツールを使い、どの範囲のルールの中で動くのかを定める。これによって、安全で常時稼働するAIシステムの設計基盤を提供する。エヌビディアのブログによれば、これは世界中のあらゆるSaaS企業のポリシー・エンジンである。
NemoClawはエヌビディアが構築したものである。同社は、実際の企業環境にデプロイ可能にするレイヤーを開発した。OpenAIやAnthropicを含む複数プロバイダーのモデルに対応し、さらにクラウドへのデータ露出を完全に回避したい組織向けには、ローカルで動作するエヌビディア独自のNemotron(ネモトロン)ファミリーもサポートする。
エージェント型AIとOpenClawは、結局のところアプリケーション層にすぎない
フアンは、1枚のスライドで過熱した期待を切り分けた。エージェント型AIはソフトウェア革命だというのである。特化型エージェントは統制され、安全が確保され、配備され、企業の基幹システムや記録システムなどと接続されるようになる。そして、そうしたエージェントは顧客に貸し出され、その顧客は引き続きエヌビディアの計算基盤を通じてトークンを消費する。ハードウェアがソフトウェアを売り、ソフトウェアがトークンを売る。
それが、このビジネスモデルだ。
エヌビディアの新たなプラットフォームVera Rubin(ヴェラ・ルービン)と、Groq 3 LPUのチップ・アーキテクチャは、エージェントを大規模に動かすコストを下げるために専用設計されている。AWSとマイクロソフトAzureはすでにこれらの導入を進めている。ハイパースケーラー各社は、企業側の準備が整う前から先行して基盤を築いており、その結果、インフラ面の差は多くの組織が思うより速く縮まりつつある。
OpenClaw、フィジカルAI、そして明確な方向性
フアンによれば、Claude CodeとOpenClawはエージェントの転換点を引き起こし、AIを生成と推論の段階から、行動の段階へと押し進めた。
次は物理世界だ。
日産、BYD、現代(ヒョンデ)などは、エヌビディアのDriveプラットフォーム上でレベル4の自動運転車を開発している。ウーバーは2028年までに、4大陸28都市で自動運転車のサービスを立ち上げる予定である。フアンは、World Models(ワールドモデル)がすでに現実のものになりつつあるため、最終的には50兆〜70兆ドル(約8000兆円〜1京1200兆円。1ドル=160円換算)規模の産業現場でフィジカルAIが必要になると見ている。


