欧州

2026.03.27 07:30

ウクライナが「中国製部品不使用」の無人機を製造へ 政治的リスク踏まえ

Artem Hvozdkov/Getty Images

米紙ニューヨーク・タイムズによると、ウクライナは戦争を遂行する上で重要な無人機製造の自給自足を目指しており、これまで中国などの企業から調達していた回路基板などの主要部品の製造を国内に移しているという。その結果、ウクライナ当局者が「中国製部品不使用」と表現する無人機を製造する能力が生まれつつある。つまり、中国企業ではなく、国内で製造した部品や信頼できる西側諸国から調達した部品を用いて構築された機器だ。

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ウクライナの計画立案者にとって、その論理は明白だ。ウクライナは、ロシアと中国の間の現在の「無制限」の戦略的協力関係といった要因に加え、ウクライナが現在、中国のもう1つの友好国であるイランからの防衛でペルシャ湾岸諸国を支援していることにより、中国がいずれウクライナへの重要技術の供給を停止する可能性があるとみている。そのため、ウクライナは中国のサプライチェーン(供給網)への依存、ひいては中国への依存そのものを戦略的な弱点と見なすようになり、この弱点を排除しようとしているのだ。

ウクライナ無人システム部隊のロベルト・ブロウジ司令官は英紙タイムズに次のように語っている。「われわれに敵対的な中国から部品を調達することの危険性を考慮すると、主な目標はウクライナ国内で製造することだ。わが国の製造業の強みは、既に輸入代替が進んでいる点にある」

現時点では、安価な中国製部品が広く普及していることを踏まえると、ウクライナの製造能力はまだ小規模なものにとどまっている。とはいえ、同国が「中国製部品不使用」の無人機への移行を進めていることは、重要な意味を持つ。

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ウクライナ政府は、自国の強力な無人機製造能力と迅速な防衛技術革新のサイクルを、独自の輸出商品として捉えるようになった。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先月、同国が運営する防衛技術専門の輸出センターを今年末までに欧州10カ所に開設する計画を発表した。ドイツや英国との提携など、この計画の一部は既に始動している。こうした状況を踏まえると、ウクライナの当局者は、無人機産業のリスクを低減することで、中国の技術に伴う脆弱(ぜいじゃく)性への懸念を強めている西側諸国政府にとって、より魅力的な投資先になると確信しているに違いない。

だが、ウクライナ製無人機への転換は、重要な政治的メッセージでもある。これは、ウクライナが真の戦略的パートナーを誰だと考えているのか、そして同国が最終的に自国の未来はどこにあると信じているのかを如実に物語っている。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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