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2026.03.27 08:00

銀が8%急落し金も追従 イラン和平交渉をめぐる情報錯綜で

Jonathan Raa/NurPhoto via Getty Images

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イラン紛争が長期化する中、原油価格の再上昇と、米国とイラン双方から発せられる和平交渉に関する錯綜したメッセージを受け、米国時間3月26日朝の市場で銀が最大8%急落し、金も値を下げた。

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26日午前9時30分時点の銀価格は、約68.76ドルとなった。一時は8%安の67.07ドルまで下落したが、現在は約6%安の水準で推移している。

金は同時点で約2.5%安の4446.20ドルをつけ、今朝の安値である4409ドルからはやや値を戻した。

金と銀の価格はイラン紛争が勃発して以来、おおむね下落傾向にある。直近2日間で見せたわずかな上昇分も、今回の下落でほぼ帳消しとなった。

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価格下落の引き金となったのは、紛争終結に向けた交渉をめぐる米国とイランの食い違う声明だ。ドナルド・トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、イランが交渉妥結を「懇願している」と主張した。一方のイラン側は25日、米国の和平案を拒絶し、交渉自体を行っていないと否定している。

イラン紛争下において、金と銀の価格は原油価格と逆相関の関係にある。26日朝、国際原油指標の北海ブレント先物は約6%高の106ドルに達する一方で、これら2つの貴金属は値を下げた。

アクティブトレーズのアナリストを務めるリカルド・エヴァンジェリスタはロイターに対し、この下落はイラン紛争に起因すると指摘し、「エネルギー危機がインフレ率をさらに押し上げ、連邦準備制度を含む各国の中央銀行がよりタカ派的な姿勢を取らざるを得なくなるとの懸念が強まっている」と述べた。

紛争勃発以来、金はその価値の約15%を失い、銀は最大で25%下落した。これは、情勢不安は「安全資産」である貴金属価格を押し上げるという従来の常識を覆す動きだ。サクデン・フィナンシャルのアナリストは先週、金と銀が「原油と負の相関関係にある」と指摘し、「貴金属は地政学的な不安定さから一定の恩恵を受けるものの、原油が安全資産としての買いを独占している限り、貴金属の上昇は抑制されるだろう」と分析した。

また、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が先週、金利の据え置きを表明したことも、金利低下局面で買われやすい貴金属には下落圧力となった。さらに、紛争期間を通じて強さを見せるドルが26日もわずかに上昇したことも、貴金属価格の押し下げ要因となっている。

ただし、2025年末から2026年初頭にかけての急騰により、金と銀の価格は前年比では依然として大幅に高い水準にある。2025年末からの上昇は、国際的な緊張、トランプ政権による関税の引き上げ措置、そして利下げ観測が燃料となり、1月には銀は120ドル、金は5600ドルの節目を突破していた。

その後、1月下旬にトランプが次期FRB議長にケビン・ウォーシュを指名すると発表したことで、貴金属市場は暴落に見舞われた。ウォーシュは他の候補者よりも、利下げに消極的だと見なされたためだ。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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