政治

2026.03.27 07:00

「ホルムズ関与の見返りにウクライナ支援」 フィンランド大統領の対米ディール案は検討する価値

米ホワイトハウスで2025年10月9日、首脳会談に臨むフィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領(左)とドナルド・トランプ米大統領(Anna Moneymaker/Getty Images)

米ホワイトハウスで2025年10月9日、首脳会談に臨むフィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領(左)とドナルド・トランプ米大統領(Anna Moneymaker/Getty Images)

ホルムズ海峡の封鎖はたんなる地域問題ではない。それは世界的なチョークポイント(要所)をめぐる問題であり、西側が断固とした行動をとれるかの試金石にもなっている。ドナルド・トランプ米大統領は北大西洋条約機構(NATO)の支援は必要ないと言い張っているが、動かしがたい事実がひとつある。この狭い海峡を世界の石油のおよそ20%が通過しているという事実だ。

実際にホルムズ海峡が封鎖されると、その影響は即座に表れた。エネルギー価格は急騰し、サプライチェーン(供給網)は逼迫し始めた。政情不安は中東から欧州、アジアへ、さらには米国にも広がる公算が大きい。

現実を直視しよう。ホルムズ海峡は早急に再開されなければならない。そして、トランプが認めようが認めまいが、米国は支援を必要としている。一方で、ほかのNATO諸国は、ウクライナでの戦争への対処に苦労している。この戦争もまた、おびただしい死者を出し、世界に影響を及ぼしている重大な紛争だ。

ホルムズ海峡とウクライナ、この2つを結びつけた「取引」は追求するに値する。

行動しないことの代償

何もしなければどうなるかというのは、もはや理論上の話ではない。その結果はすでに現実に表れつつある。

中東の紛争が続くなか、世界の食料やエネルギーの供給体制は圧迫され、きしみ始めている。国連の世界食糧計画(WFP)のカール・スカウ副事務局長は先週、厳しい警告を発した。

「中東の紛争が6月まで続けば、物価の高騰で新たに4500万人が深刻な飢餓に追いやられるおそれがあります」

人道上の懸念だけではない。これは地政学的にも懸念される事態だ。

食料不安は移住や移民を生む。移住や移民は政情不安を招く。そうした不安は選挙、同盟・パートナー関係、安全保障の優先順位に影響を与える。これはとくに欧州に当てはまるが、米国でも同様だ。

ホルムズ海峡の危機は、放置すれば湾岸地域を越えて広がる。影響は経済、政治、戦略にも波及していく。

同様の懸念は、ロシアのウクライナ侵攻をめぐっても持ち上がる。ロシアが勝利すれば、ウクライナから国外に逃れる国民は2000万人規模に達する可能性があり、深刻な人道危機になると予見されている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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