最新iPhone17が2700万台分も作れる 都市鉱山に眠る金の正体

stock.adobe.com

stock.adobe.com

スマートフォンの買い替え時、古い端末を下取りに出さず、予備として、あるいは処分に迷って自宅に保管したままにしているケースは少なくない。しかし、その「何気ない保管」が、国内経済や資源循環の観点から見れば、莫大な損失となっている可能性がある。ゲオホールディングスの試算によれば、2025年の1年間で新たに自宅へ滞留した、いわゆる「埋蔵携帯」の総価値額は約7263億円にのぼるという。

埋蔵携帯が中古市場へ還流することで期待される経済波及効果は約1兆6052億円と推計されており、リユース市場の活性化を阻害する「もったいない」状況が浮き彫りとなっている。特に金、銀、銅、パラジウムといった有用金属の価値は、2022年の調査と比較して約3.2倍にまで跳ね上がっている。国内の金価格が1gあたり2万5000円という最高値を突破したことも、この資産価値を押し上げる大きな要因となっている 。

「都市鉱山」としてのポテンシャルも、無視できない規模に達している。2025年に埋蔵された約2735万台の携帯電話から回収可能な金の量(約711kg)は、最新スマートフォン「iPhone 17」約2735万台分の製造に必要な量に匹敵する。これは、国内で眠っている端末を適切に回収するだけで、翌年に生産される最新デバイスの資源を「自給自足」できる可能性を示唆するものだ。オリンピックの金メダル換算で約11万8000個分にもなるこの資源は、単なる不用品ではなく、日本の経済社会を支える貴重なリサイクル源といえる。

関西大学の宮本勝浩名誉教授は、埋蔵されている携帯電話を中古市場や金属市場へ供出することは、循環型社会の実現において極めて重要であると指摘している。進学や就職、引っ越しなどが重なる、この新生活シーズン。引き出しの奥で眠る古いスマートフォンやデジタル家電を「資産」として捉え直し、市場へ戻すという選択は、個人の利益のみならず、持続可能な社会への貢献にもつながるはずだ。

出典:ゲオホールディングス「2025年版 埋蔵携帯の価値試算」より

※4年前の出荷台数約3654.2万台とリサイクルや下取りに出さない層(69.3%)などから台数を算出し、平均単価2万6554円をかけた金額。

文=飯島範久

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事