核推進の代表的なシステムとしては、NTP(核熱推進機)やNEP(核電気推進機)などがある。NTPは原子炉の熱で水素などの推進剤を直接的に加熱し、それをノズルから噴射することで推力を得る。一方NEPは、原子炉の熱を電気に変換し、その電力でイオンエンジンなどを駆動する。SR-1が採用するのは後者のNEPであり、その推力はNTPに劣るが、比推力(ロケットにおける燃費)では勝る。そのため長期間にわたる深宇宙への航行には有利となる。一般的にNEPは、化学燃料ロケットの数倍から10倍前後の比推力を発揮するとされる。
ISSにNASAの新モジュールを接続
聴衆を驚かせたもうひとつの計画は、退役が迫るISSに、NASAが新たに調達する政府所有のコアモジュールをドッキングさせるというプランだ。現時点の計画では、ISSは2030年まで運用され、2031年に太平洋に廃棄される。ただし米国は、民間宇宙ステーションの開発が遅延していることから、その運用期限を2032年9月まで延長しようと法改正を進めている。これは地球低軌道から米国のステーションがなくなり、中国宇宙ステーション(CSS)だけが存在する事態を回避するためだ。
米国では現在4機の民間ステーションが計画されているが、その開発は幾度も遅延し、運用の開始時期も不透明な状態にある。この事態を改善するために、NASAは自前のコアモジュールを新たに開発・製造して、ISSの船首に接続し、そこに民間モジュールを接続させるプランを打ち出した。
民間モジュールとISSをつなぐハブ(接続部)として機能するNASAのコアモジュールには、推進機構、電源、冷却装置、基本的な生命維持装置が搭載される。そのため同機に接続する民間モジュールは、それらの装置を搭載せずに済む。つまり自律的に低軌道に存続し続ける機能を持たないシンプルなモジュールであっても、NASAのコアモジュールに接続するだけでステーションの一部として成立する。この条件であれば宇宙ステーション事業に参画する間口が広がり、低予算かつ短期間で商業モジュールを開発することが可能になるだろう。


