山善は、ちょっと面白い家電製品のメーカーとして馴染み深いが、家庭用機器はその事業のほんの一部だ。「ものづくり商社」として、機械工学から物流まで幅広い事業を手がけている。ヒューマノイド(人型)ロボットの社会実装もそのひとつ。その山善が、ものづくり産業11業種で管理職以上の責任者1100人を対象に、ヒューマノイドロボットの導入意向に関する調査を実施し、報告書を公開した。そのほんの一部を紹介しよう。
まず、ヒューマノイドロボットの導入意向を尋ねると、「導入済み・導入予定」から「条件が整えば導入したい」までの企業は全体の約44パーセントにのぼった。「判断できない」という約37パーセントは導入に傾く可能性もあるので、実際はもっと多いだろう。

導入したい理由としてもっとも多かったのが人手不足の解消だった。また属人化の解消、単純作業の自動化、身体負担の大きい作業の一任、夜間や早朝など人が集まりにくい時間帯での稼働などがあげられた。ヒューマノイドロボットへの期待は大きいように感じられる。

導入を望む業界は、半導体が1位。2位は自動車、一般機械、ロボット・産業用自動化機器などとなっている。さすがに工学系が多いように見えるが、5位には食品が入った。しかも、導入済みまたは導入予定の割合が11業種中でもっとも多いのが食品である。また6位の電子部品は、「ぜひ導入したい」の割合がもっとも高い。ただし、導入済み・導入予定の割合がもっとも低いのも電子部品で、なんらかの課題がありそうだ。
ヒューマノイドロボットの活用を期待する場面や業務を聞くと、1位は「属人化作業」、2位は「重量物」、続いて「繰り返し」、「夜間・早朝」、「危険」となった。こうした具体的な需要があることからも、ヒューマノイドロボットへの期待の高さがうかがわれる。

だが、なかなか導入に踏み切れない理由もある。その最たるものが導入と運用のコストだ。それに対して、ロボットメーカーを経て山善に入社したヒューマノイドロボット市場開発担当課長の北野峰陽氏は、レンタル、リース、データ運用のサブスク、リカーリングといった山善が現在整備中の制度を使うことで、初期導入と運用のコストを下げられると話す。また急な人手不足のときにだけレンタルするという使い方もあるとのこと。
商談先のほとんどの企業が「一度現場で試したい」と希望するという。ヒューマノイドロボットが現場で活躍する日は、そう遠くない感じだ。



