回転寿司のネタの人気ナンバーワンはサーモンだそうだ。だが、普通に魚屋でサーモンを買おうとすると、ほとんどが海外産なので高い。寒い地域でしか養殖ができないため、国産も希少で高い。
というわけで、水産スタートアップのSmolt(スモルト)は、サーモンの仲間であるサクラマスの高温耐性を高めた品種を開発している。温かい地域でも養殖が可能なサーモンだ。それをなんと、沖縄で養殖しようという試みが始まった。

スモルトと琉球大学は、高温耐性を高めたサクラマスの閉鎖循環式養殖システムによる養殖実験を開始した。閉鎖循環式とは、水槽の水を浄化しながら循環させる陸上養殖技術のこと。スモルトは、通常18度以下の水域でしか繁殖できないサクラマスを、6世代にわたって品種改良し、20度前後でも安定的に成長できるようにした。これを、「養殖不適地」とされてきた亜熱帯の沖縄で養殖しようというのだ。
この実験では、閉鎖循環式システムでの高温耐性サクラマスの生存率、成長速度の計測、亜熱帯環境における陸上養殖の環境制御技術の確立、日本国内における養殖適地の拡大に向けた科学的データの蓄積を目指すという。

スモルトの代表取締役、上野賢氏は、海水温の上昇によりサーモンが育てられた海域が次々と失われていると指摘。陸上の閉鎖循環式システムなら温暖化に左右されない養殖を実現できる可能性があり、「100年後の子どもたちが、日本産のサーモンをおいしく食べられる社会を作るために、科学の力を信じて前進します」と語っている。



