アジア

2026.03.26 16:00

ラブブのポップマート、海外成長の鈍化で株価22%超急落──創業者の資産が約4300億円減少

Roman Zaiets / Shutterstock.com

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中国の玩具メーカー、ポップマート・インターナショナル・グループ(Pop Mart International Group)の株価は、2025年通期決算の発表を受け、現地時間3月25日の香港市場で22%超下落した。この下落で、創業者ワン・ニンの純資産は27億ドル(約4290億円。1ドル=159円換算)減少した。通期決算の数字から、昨年10〜12月期に海外事業の伸びが鈍ったことがうかがえ、投資家が動揺したためである。

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売上高は予測の約6900億円を大幅に超え、純利益は前年比4倍に到達

フォーブスの推計によると、39歳のワンの資産は現在136億ドル(約2.2兆円)で、その大半は自社株の保有によるものだ。2025年の売上高は前年比184.7%増の371億元(約8573億円)となり、同氏が以前示していた売上高300億元(約6900億円)の見通しを上回った。純利益は130億元(約2990億円)と、前年のほぼ4倍に増えた。

投資家が海外市場の成長鈍化を第4四半期の数字から読み取る

しかし投資家は、2025年10〜12月期の海外市場で成長が鈍った兆しを通期数字から読み取った。同社は12月までの3カ月間の業績を公表していない。だが、それまでの四半期ごとの開示に基づけば、中国本土以外の成長率は、総売上高が約245%増えた同年第3四半期に比べて「大きく減速した」とみられると、シンガポールのDZT Researchで調査責任者を務めるケ・ヤンは述べている。

投資家は、ポップマートの看板商品Labubu(ラブブ)、すなわちギザギザの歯といたずらっぽい笑みが特徴のウサギのような人形をめぐる熱狂は終わったと考えているのかもしれない。クリスマス商戦でさえ、海外売上の3桁成長に再び火をつけることはできなかったからだと、ケは付け加える。香港を拠点とする調査会社Morningstarの株式アナリスト、ジェフ・チャンによると、同社のMolly(モリー)とCrybaby(クライベイビー)の各シリーズでも、前年比の売上の伸びが鈍っている。コレクター向け玩具をめぐる熱狂が冷めつつあるためである。

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「新製品の投入が少なかったため、主要な海外市場では熱狂が冷めたとみています」と、チャンは電子メールのメモで述べた。「既存シリーズは、製品を持つ人が増えるにつれて、売上の伸びが鈍っています」。

ワンは2026年の成長率を20%と予測、利益を優先する方針を示す

ポップマートの広報担当者は、株価についてはコメントしないとしている。現地時間3月25日にライブ配信された説明会で、同社の会長で最高経営責任者(CEO)であるワンは、2026年の売上高全体が前年比20%増えると予想した。「利益を犠牲にしてまで、積極的な増収を追うつもりはありません」とワンは述べた。「長い目で見て健全な成長を実現したいのです」。

市場コンセンサスを下回る成長見通しの中、テーマパークやラブブ映画でIPの息の長さを高める

だが、この伸び率は、昨年の3桁成長からすでに大きく鈍っているうえ、2026年の市場予想である33%も下回る。説明会で経営陣は、人気IP(知的財産)を長く育てるための投資も増やすと述べた。テーマパーク事業にさらに力を入れ、関連アクセサリーの販売も後押しするという。先週、ポップマートとソニー・ピクチャーズは、実写とコンピューター生成アニメーションを組み合わせたLabubu映画を開発していると発表した。

ドイツ銀行の3月12日付リサーチノートによると、同社はLabubu 4.0シリーズを含む新製品の投入を今年に繰り上げている可能性があり、その発売は近いかもしれない。ただ、同行のアナリストサミ・シューは警戒感も示した。「2026年4〜6月期に向けて、ポップマートは人気のLabubu(The Monsters)シリーズから複数の新コレクションを投入する見通しです」と、シューは書く。「しかし、ソーシャルメディア上の議論や、これまでのミニLabubuシリーズ発売後の販売の推移を見ると、これら新作への需要はLabubu 3.0ほどの強さにはならない可能性があるとみています」。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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