世界のベストレストランのアジア版「アジアのベストレストラン50」の授賞式が3月25日、香港のウォーターフロントにある「ケリーホテル」で行われた。古くから食の都として知られる香港だが、ベストレストラン50の開催地となるのは初めてのこと。今回もシェフやレストラン関係者約900人が集まり、盛況となった。
ランキング結果は、香港の「チェアマン」が2021年以来2度目のアジアNo.1に輝き、2位には同じ香港の中国料理「ウィン」、3位にはタイの「ガガン」が続いた。日本は最高位は13位の大阪「ラ・シーム」となった。日本が10位以内にランクインしなかったのは2013年から始まるこのアワードで初めてのこととなる。
また、これまで何度もNo.1レストランを排出してきたシンガポールも、最高位が「オデット」の19位にとどまった。
一方で、特別賞にアート・オブ・ホスピタリティにインドの「マスク」、最も順位を上げたレストラン「ハイエスト・クライマー賞」に北京の「ランブレ」、サステナブル・レストラン賞にバンコクの「バーン・テパ」、シェフズ・チョイス賞でもバンコクの「レドゥ」と「ヌサラ」のティティッ・トン・タッサナーカジョンシェフが選出。
さらに、ベスト女性シェフに韓国「オンジム」のチョ・ウンヒシェフ、ベストペストリーシェフにはインドネシア「オーガスト」のアルディカ・チャンドラシェフが選ばれるなど、新しい地域の台頭が感じられる結果になった。

日本のレストランは50位以内に13位に「ラ・シーム」、16位に「セザン」、21位に「茶禅華」、28位に「マス」、31位に「フロリレージュ」、33位に「明寂」、34位に「クローニー」、37位に「NARISAWA」と、去年の11軒から3軒少ない、全8軒がランクインした。
中国料理の躍進にみる多様性
今回特徴的だったのは、中国料理、特に香港や台湾、北京や上海といった大都市だけでない地域の中国料理がランキングを上げていることだろう。6位に福建料理の「ミート・ザ・バンド」、10位に浙江料理の「如院」が入った。昨年から、中国本土より細かく見るため、中国の評議委員長が一人増えたという背景もある。その長い歴史と多様な地域性が新たな注目を集めていると言えるだろう。
授賞式前日に行われたトークイベント「50ベストトークス」では、上海「リンロン」のジェイソン・リューシェフが「中国にはまだ知られていない地方料理がたくさんある。中国八大料理を学び、そのの多様性を表現している」と、中国国外であまり知られていないその食の地方性と奥深さを強調。中国本土は50ベストが追求する「食のフロンティア」の一つということができるだろう。



