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2026.03.26 08:00

イーロン・マスクのスペースX、6月に新規株式公開(IPO)か──評価額は推計238兆円超

Photo by Marvin Joseph/The Washington Post via Getty Images

火星への長い道のり

スターシップは、マスクの究極目標である「人類の多惑星化」にとっても鍵となる。SpaceXは、打ち上げに有利な2026年のウィンドウ期間に、火星へ向けた無人スターシップミッションの実施を目指しており、到着は2027年になる見込みだ。公式計画では、2030年頃から本格的な貨物輸送を開始し、火星表面への輸送コストは1メートルトンあたり1億ドル(約159億円)を目標としている。

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これら初期ミッションでは、物資の輸送、着陸システムの試験、インフラ構築の設準備が行われる。有人飛行はその後の打ち上げウィンドウで続く予定だ。

マスクは最終的に、火星に自給自足可能な都市を建設するため、数千機のスターシップを送り込むことを構想している。宇宙探査のタイムラインは常に流動的だが、スターシップの試験飛行における急速な進展により、これらの計画はかつてないほど現実味を帯びている。

投資する上での検討事項

IPOが想定通りに進めば、一般投資家はこうしたハイリスクの取り組みに直接エクスポージャーを得ることになる。SpaceXにとっても、スターシップの生産、衛星メガコンステレーション、深宇宙インフラの資金調達において、より大きな柔軟性を手にすることになる。

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技術的リスク、規制上のハードル、莫大なコスト

ただし、技術的リスク、規制上のハードル、そして莫大なコストなど課題は残ったままだ。それでも、再利用可能ロケットとグローバル衛星インターネットにおける実績は、SpaceXが大胆なビジョンを現実に変える方法を熟知していることを示している。

マスクの最大の才能は、常に大きな夢を描き、その夢を投資家に効果的に売り込む能力にあった。彼が約束してきたことの多くは最終的に実現している。たとえタイムラインが当初の予測を大きく超えることが頻繁にあったとしても、である。

IPOをめぐる熱狂と価格水準

SpaceXのIPOをめぐる熱狂は、おそらく途方もないものになるだろう。一般向けに売り出される株式は全体のごく一部にとどまると予想されるため、激しい需要により株価は上場直後に大幅に上昇する可能性がある。しかし、最初の買い殺到が落ち着けば、リビアンや他の注目IPOで起きたように、株価がIPO後の高値を大きく下回る水準へじりじりと下落するリスクも十分にある。

投資家は慎重に進むべきだ。長期ビジョンは魅力的である一方、SpaceX株の保有を熱望する投資家は、価格が急騰した場合には熱狂の頂点を追いかけるよりも、上場後数週間待つほうが賢明かもしれない。

人類が太陽系へ拡張していくための金融燃料

地球周回軌道のデータセンターから、月面の恒久拠点、そして火星へ向けた第1歩まで、SpaceXの潜在的なIPOは単なる株式上場にとどまらない。それは、人類が太陽系へ拡張していくための金融燃料となり得るのだ。

forbes.com 原文

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