米国時間3月25日、英国のチップ設計企業Arm Holdings(アーム・ホールディングス)の株価が18%以上急騰した。レネ・ハースCEOが自社開発のAIチップから数十億ドル規模の売上高を見込むと発表したことを受けたもので、アナリストらはこの動きを「同社史上最も重要な転換」と称賛した。
新AIチップにより年間売上高150億ドルの予測、2031年までに売上高約250億ドルの見通し
Armの株価は25日午前時点で18.3%上昇し、160ドル弱となった。これは11月に同水準を超えて以来の最高値だ。
火曜日のイベントで登壇したハースは、同社初のチップ「Arm AGI CPU」が年間150億ドル(約2.4兆円)の売上高を生み出し、2031年までに年間売上高を約250億ドル(約4兆円)に押し上げる見通しだと述べた。1株当たり利益は9ドルに達すると予測している。
2025年の年間売上高40億ドルの6倍以上
この見通しは、2025年の年間売上高40億ドル(約6360億円)の6倍以上であり、今年度に予想される1株当たり利益1.75ドルと比較すると414%の増加となる。
Armの新チップの最初の正式顧客はメタとなり、OpenAI、Cloudflare、SAPも続くと同社は発表した。
シティのアナリストらは25日のレポートで、Armがチップ製造に参入しエヌビディア、マイクロソフト、グーグル、アマゾンと競合する決定について、これらはいずれもArm製品の顧客でもあり、「同社史上最も重要な転換」だと記した。
レイモンド・ジェームズのアナリスト、サイモン・レオポルドは、チップ製造への転換により「力強い」営業利益がもたらされ、「成長を後押しし、新たな側面を加える」ことでArmの収益戦略が強化されると述べた。
この株価急騰により、Armの時価総額は141億ドル(約2.2兆円)増加し、1671億ドル(約26.6兆円)に達した。同社の時価総額は2024年に約1900億ドル(約30.2兆円)の過去最高を記録したが、2025年は1000億ドル(約15.9兆円)を下回っていた。
かつて「Acorn(エイコーン)」として知られていたArmがチップを製造するとの噂はここ数週間で広まっていた。Armは2023年の早い時期から製品開発に着手していたと報じられている。成長を続けるAIチップ市場への参入は、同年の株式公開後のことだ。
拡大するAIチップ市場への参入は、2023年の同社IPOに続く動きとなっている。当時のIPOは数年来最大規模の上場案件として注目を集めた。当時、同社は数年ぶりに最も企業価値の高い新規上場企業となった。
ソフトバンクは2016年に320億ドル(約5.1兆円)の企業価値評価でArmを買収し、18年間続いた上場企業としての歴史に終止符を打って非公開化した。2020年にはエヌビディアがArmを400億ドル(約6.4兆円)で買収する契約を結んだが、規制当局の監視を受け2022年に買収を断念した。



