北米

2026.03.26 10:30

米国は景気後退するか、ムーディーズが警告する紛争下の「現実的な脅威」

Dan Squicciarini/NurPhoto via Getty Images

リセッションの定義

一般的に、リセッションとはGDPが2四半期連続でマイナス成長となることを指す。しかし、これを判定する主な経済分析機関である全米経済研究所の定義はより広く、「経済全体に広がり、数カ月以上続く経済活動の著しい低下」と定義している。商務省は、2025年第4四半期の経済成長率の見積もりを1.4%から0.7%に下方修正しており、以前の予想よりも景気減速が鮮明になっている。

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ムーディーズ・アナリティクスのザンディはXへの投稿で、「現時点ではまだリセッションではないが、紛争開始前でさえ(米国の)経済が脆弱だったことを考えれば、中東情勢がこれ以上悪化すれば景気後退を招きかねない」と投稿した。原油価格が第2四半期を通じて平均125ドル前後で推移すれば景気後退の可能性が高まるが、ザンディは「緊張が高まったままであれば、それは決して非現実的な数字ではない」と述べている。

ミシガン大学が発表した3月の消費者態度指数(速報値)によると、米国民は紛争直前までは経済に対して楽観的になりつつあったが、翌週にはそれがすべて「帳消し」になった。注目度の高い同調査の確定値は27日に発表される予定だ。また、コンファレンス・ボードは31日に消費者信頼感指数を発表する。同指数は12年ぶりの低水準だった1月から改善を見せていたが、今回は低下が予想されている。同社は1月時点で米国民の信頼感が「崩壊」していると報告していた。

雇用市場にはまだリセッションの兆し見えず

2月の失業率は4.4%に上昇したが、雇用市場の悪化はまだリセッション突入を決定づけるまでには至っていない。景気後退の指標とされる「サーム・ルール」によれば、直近3カ月の失業率の平均値が、過去1年間の最低値から0.5%上昇した場合、景気後退が始まったとされる。連邦準備制度が追跡するこの指標は、現時点では2024年よりもリセッションの可能性は低いと予測している。

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国家経済会議のケビン・ハセット委員長は3月初め、イラン紛争が「長引いたとしても、米国経済をそれほど混乱させることはないだろう」と主張した。ハセットは、紛争が「消費者には打撃を与えるため、それに対して何をすべきか考える必要はあるが、今のところそれは最も優先順位の低い懸念だ」と付け加えた。ウェルズ・ファーゴ、オックスフォード・エコノミクス、バンガードなど数社は、原油価格が一定程度に高騰すればリセッションの引き金になると警告しているが、バンガードのアナリストは、リセッション入りには原油価格が年内ずっと史上最高値の147ドルを上回る水準で推移する必要があると記している。連邦準備制度は2001年の警告(原油価格の上昇は通常、リセッションに先行するとの内容)の中で、米国経済はここ数十年でより強靭になり、エネルギーコスト上昇の影響を吸収しやすい体制になったと述べていた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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