しかし、レジリエンスが見過ごされてしまう最も一般的な(そして残念な)理由は、私たちが非現実的な基準と自分を比較してしまう傾向にあることだ。もしレジリエンスを「決して苦しまないこと」と定義するなら、レジリエントだと感じる人はほとんどいないだろう。しかし「困難を乗り越え、前進し続ける能力」と定義すれば、たちまち多くの人々がその条件を満たすことになる。
こうしたことから、もしあなたが自分のレジリエンスを過小評価しがちなら、それはおそらくレジリエンスを正確に理解していないからだ。強さを苦しむことがないことではなく、苦しみを乗り越えていく力ととらえるようになれば、自分の進歩をありのままに認められるようになる。
これは重要なことだ。というのも、逆境は人生そのものを深く不公平に感じさせてしまうものだからだ。自分の世界が止まってしまったように感じているのに、どうして世の中は動き続けられるのだろうか。自分にとって何もかもが「普通」に感じられないのに、どうして周りはいつも通りなのかーー。
レジリエンスとは、そうした現実を好きになることでも、ましてや一気に受け入れることでもない。どうあろうとも前進し続けることだ。痛みから逃れる方法も、それを完全に回避する方法もない。ゆっくりと、苦しみながらその痛みを乗り越えていくしかない。そして、外から見ればどんなに些細な一歩に見えても、そのひとつひとつは、あなたがすでに乗り越えているという証拠なのだ。


