2. 自分についてあらゆることを問い直す
一見すると、自己不信はレジリエンスとは正反対のもののように思えるかもしれない。結局のところ、自己不信は精神的な不安定さを招かないにしろ、非生産的なものになることが多い感情だからだ。だが、心理学の研究では自分の思考や感情、行動を振り返る能力は実は適応的な機能の核心を成す要素であることがわかっている。
これは正式には「メタ認知」と呼ばれるプロセスであり、自分の思考について考える能力のことだ。専門誌『Journal of Human Behavior in the Social Environment』に2025年に掲載された研究では、内省的な思考を行う人はレジリエンスの生来の傾向を強く示していることが明らかになった。
メタ認知は人が経験から学び、行動を調整し、やがてより効果的な判断を下すために不可欠だ。この能力こそがレジリエンスの中核的な要素である柔軟性を持つことを可能にする。ただし、これは非生産的な反すうとは異なるものであることに留意する必要がある。
反すうとは解決につながらない反復的で否定的な思考のことであり、一般的に不安やうつのリスクを高めることになるとされている。一方、内省的な思考は建設的なものだ。「ここから何を学べるだろうか」「次回はどのように違う対応ができるか」などと自問することになる。
専門誌『Healthcare』に2023年に掲載された研究では、この種の内省は感情の調節や心的外傷後成長(PTG)と関連していることが示されている。これは、意図的な内省や自己反省によって困難な経験に屈したり、それに圧倒されたりするのではなく、それらをより広い自己像の中に統合することができるようになるためだ。
言い換えると、自問したり疑ったりすることは必ずしもあなたが不安定であることを意味するわけではない。むしろそれはあなたが経験を処理し、さらに重要なことに、適応しようとしている能動的な段階にあることを示唆している。これこそがレジリエンスの真髄だ。
自分のレジリエンスに気づきにくい理由
レジリエンスが過小評価されがちな理由の1つは、その言葉が持つ印象ほどには、実際には目立たないものだからだ。目に見える経験ではなく、ましてや劇的なものでもない。大半の人にとってレジリエンスは次のような、些細で繰り返される、やや退屈な行動として現れる。
・意に反して起床する
・そうしたい気分ではないのに、相手に優しく接する
・衝動的に行動するのではなく、思いやりを持って振る舞う
・自分が参っていると気づいた時に休憩を取る
こうした行動はごく普通のことのように思えるかもしれない。実際、大半の人にとってはそうだろう。だが、トラウマや極限状態を経験した人にとっては、食事を取る、シャワーを浴びる、体を動かすといった生きていく上で最低限のことでさえ途方もない努力を要するものに感じられることがある。そうした意味で、これらの行動は決して普通のことではない。
これは、レジリエンスに関する大半の研究によって裏付けられており、レジリエンスは非凡な行動ではなく、日常的な対処プロセスを通じて築かれるものであることが強調されている。やがてこうした強さからくる小さな行動の積み重ねが、将来のストレスに対処する能力を強化していく。


