キャリア

2026.03.31 18:00

「運はスキル」だ、科学的に幸運を引き寄せる方法がある

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心理学、神経科学、計算モデルの研究が積み上がるにつれ、運は迷信以上のものであり、そして多くのプロフェッショナルが思う以上に自分でコントロールできることが示唆されている。

問うべきは運が存在するかどうかではない。運は「設計」できるのか、である。

キャリアの成功における「偶然」の本当の役割

近年の社会科学でも特に刺激的な知見の1つは、ある40年間にわたる1000のキャリアをモデル化したシミュレーション研究から得られたものだ。研究は、富はべき乗分布に従うのに、才能は正規分布(ベルカーブ)に従うのかという、根強い謎を解こうとした。

研究者たちが見いだしたのは、最も成功した人々が最も才能に恵まれていたケースはほとんどないという事実だ。成功者の多くは「ほどほどに有能」な人々で、より多くの幸運な偶発事象に遭遇していた。

シミュレーションでは、成功上位20人が全体の成功の44%を占め、主要な違いを生んでいたのは能力ではなく、幸運な転機に触れる機会の多さだった。ある分析が指摘したように、人生の成功における運の役割は、多くの人が考えるよりはるかに大きい。これは、組織が昇進、資金配分、評価をどう割り当てるかという前提そのものに疑問を突きつける。

だからといって、才能が無関係というわけではない。機会を生かすには、一定水準の能力が必要だ。ただ、純粋な実力主義を信じる人にとって居心地の悪い含意はこうである。自分の仕事に秀でていることは必要条件ではあるが、それだけでは十分ではない。良いキャリアと卓越したキャリアの差は、往々にして「適切な機会が適切なタイミングで訪れたか」、そして「その機会を見抜ける位置にいたか」によって決まる。

この発見を、運命論ではなく実行可能な示唆へと変えるのが、数百人を追跡した別の10年研究だ。

対象は、自分を「一貫して運が良い」あるいは「運が悪い」と認識している人々だった。研究が明らかにしたのは、運が良い人が宝くじやコイン投げのようなランダム事象で統計的に「より当たる」わけではない、ということだ。代わりに彼らは、4つの特定の行動において体系的に優れていた。すなわち、広い社会的なネットワークと新しい経験への開放性によって偶然の機会を最大化すること、直感に耳を傾けること、前向きな結果を予期しそれが自己成就すること、そして不運を嘆くのではなく学びへと転換することである。自分を「運が悪い」と考える人々にこの4つの行動を身につける訓練を行ったところ、80%が1カ月以内に「運が良くなった」と報告している。

この示唆は衝撃的であり、すばらしいニュースでもある。少なくともキャリアや人生の軌道を左右するタイプの運は、偶然性というよりも、学習し、実践し、時間をかけて強化できる心理的な習慣の集合であるように考えられるのだ。

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