侵攻に伴うリスク
カーグ島の石油インフラへの攻撃はイラン経済に壊滅的な打撃を与える可能性があるが、それには米軍側の被害拡大、ペルシャ湾諸国へのイランによる報復攻撃、さらなる世界的な原油高といった大きなリスクを伴う。また、占領がホルムズ海峡の開放につながる保証もない。米国内でもイランへの地上部隊派遣は極めて不評だ。ロイター/イプソスの最新の世論調査では、大規模な地上戦を支持する米国民はわずか7%だが、65%が、それでもトランプは地上作戦を強行するだろうと考えている。トランプは最近記者団に対し、「どこにも部隊を派遣するつもりはない」としつつ、「もし派遣するとしても、君たちには教えない」と付け加えた。
共和党のリンジー・グレアム上院議員(サウスカロライナ州選出)は、22日にFOXニュースに対し、「我々は硫黄島を攻略した。これもできるはずだ」と述べ、トランプにカーグ島の占拠を促した。これに対し、硫黄島の戦いでは7000人の米兵が犠牲になったことを指摘する批判が超党派で巻き起こった。共和党のナンシー・メイス下院議員(サウスカロライナ州選出)は、「子どもを持たない男の言葉は聞きたくない」とXに投稿(グレアムには子どもがいない)し、グレアムを「シチュエーションルームから排除すべきだ」と主張した。共和党のアンナ・パウリナ・ルナ下院議員(フロリダ州選出)もグレアムの言葉に「ひどく心を痛めた」と述べ、グレアムは「命への敬意を欠いて」おり、米軍兵士を「使い捨ての家畜」のように扱っていると非難した。
トランプは23日、イランの発電所やエネルギーインフラへの攻撃の脅しを一時撤回し、中東の紛争を「完全かつ全面的に解決」するための交渉期限として5日間を設定した。トランプはイラン側と「生産的」な会話がなされたと主張したが、イラン側はこれを否定している。イランはこのトランプの発言について、4週連続で下落した米国株式市場を鎮めるための発言だとしてトランプを非難した。トランプのこの方針転換は、ホルムズ海峡を再開しなければ48時間以内にイランの発電所を「攻撃し、消し去る」と米軍に命じていた直後のことだった。


