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2026.03.25 08:30

ホルムズ海峡迂回パイプライン、容量が圧倒的に不足 LNGは代替輸送手段なし

イランとオマーンに挟まれたエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡(FrankRamspott/Getty Images)

イラク北部キルクークからトルコ南部地中海沿岸のジェイハンを結ぶパイプラインは、名目上の輸送能力は日量160万バレルだが、15億ドル規模の仲裁紛争を巡り、2023年3月に操業が完全に停止された。米国が仲介した合意により、2025年9月に日量15万バレルの輸送が再開された。ホルムズ海峡の危機により、緊急の修復工事が行われた。イラクは現在、同パイプラインを通じて日量約25万バレルの原油を輸送しているが、これは同国がかつて、ペルシャ湾に近い南東部バスラから輸出していた量の6%程度に過ぎない。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、1973年にイラクと結ばれたパイプライン協定が2026年7月27日に失効すると発表した。トルコは通過料金の増額を求めるとともに、仲裁による罰金の免除とパイプラインのバスラまでの延伸を求めている。同パイプラインは最悪のタイミングで、再び操業停止に陥る可能性がある。

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迂回ルートを持たないカタール

最も深刻な被害を受けているのはカタールだ。世界の液化天然ガス(LNG)取引量の5分の1に相当する年間約8000万トンというカタールのLNG輸出量の100%は、同国北部ラスラファンからホルムズ海峡を経由して出荷されている。カタールはドルフィン・パイプラインを通じてUAEやオマーンに天然ガスを供給しているが、これは地域の電力網向けであり、国際市場向けではない。輸出に関しては、ホルムズ海峡経由以外に選択肢がない。LNGには極低温液化施設が必要となる。

カタール・エナジーは4日、不可抗力を宣言した。イランによるミサイル攻撃で、LNG生産能力の約17%が損なわれた。修復には3~5年を要する。トタルエナジーズ、シェル、エクソンモービル、コノコフィリップス、ENIの各社が参画し、2030年までに生産量をほぼ倍増させることを目指していたが、計画は無期限に中断された。

すべてを物語る数字

ペトロラインの余剰輸送能力は日量260万~500万バレルで、フジャイラ・パイプラインは同44万~73万バレル、キルクーク・ジェイハン・パイプラインは同25万バレルだ。だが、ペトロラインの実質的な輸送能力は、ヤンブー港によって日量約300万バレルに制限されており、パイプラインが輸送可能な同700万バレルには達しない。ターミナルの制約を考慮すると、現実的な追加輸送能力は合計で日量260万~550万バレルの範囲となる。これを、国際エネルギー機関(IEA)が推計するホルムズ海峡の通常の通過量である日量約2000万バレルで割ると、13~28%となる。一方、カタール産LNG輸送の迂回ルートは存在しない。

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こうした状況の中、IEAは過去最大規模となる計4億バレルの石油備蓄の放出を表明したが、これで賄えるのは数週間であり、数カ月ではない。これは構造的な問題を解消する手段ではない。

これが単なる価格ショックに終わるか、あるいは大規模な危機に発展するかは、その持続期間による。イランがホルムズ海峡に敷設したとされる機雷の除去だけでも数カ月を要するだろう。迂回ルートで穴埋めできる割合が13~28%で、LNGの代替輸送手段が全くない状況下では、操業停止が1週間長引くごとに、供給の混乱が既存の設備では解決できないエネルギー不足へと発展する。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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