AI(人工知能)革命を率いる革新者たちは大いに富むだろう。だが、彼らの成果を踏み台にして飛躍する次世代のイノベーターたちは、それを桁違いに上回る富を手にする。だからこそ、アップルはこの先きわめて有利な立場にあるのだ。
まず、先にウォール・ストリート・ジャーナルが報じたとおり、アップルはAIの普及からすでに目覚ましい収益を上げている。多くの人がさまざまなAIサービスを使い始めるとき、手に取るのが同社のデバイスだからだ。もっとも、これは長い目で見ればはるかに大きな物語のほんの序章にすぎない。
2022年11月にChatGPTが登場して以来、AIの進化がいかに速かったか、改めて振り返ってほしい。AIが私たちの暮らしに変革をもたらしていることは、今さら言うまでもない。読者の中にも、ChatGPTやClaude、PerplexityをはじめとするさまざまなAIを日常的に頼りにしている人は多いはずだ。健康相談、資産運用、進学先選び──用途は幅広いが、何より大きいのは、日々の仕事にAIを使っているという事実である。
市場が情報の具現化だとすれば、AIはまさに市場そのものだ。オクラホマ州立大学のスティーブ・トロスト教授は、人工知能は「集約された知能」と呼ぶほうが的確だと述べている。人類の知の総体を、分かりやすい形にまとめ上げたもの──それがAIである。未来は明るい。
しかも、その未来は安価だ。AIとは、エヌビディアのジェンセン・ファンCEOが興奮を込めて語る膨大な量の「Work(仕事)」にほかならない。世界中の知識が一つに集約されるとどうなるか。個人やチームが何時間も何カ月もかけていた作業を、AIが秒単位で片づけるようになる。フォーブス発行人リッチ・カールガードはかつてこれを「チープ・レボリューション(低コスト革命)」と呼んだが、いまやその規模は当時の想像をはるかに超えている。そして話はまだ終わらない。
2025年に登場したDeepSeekを見てみよう。開発の多くの段階でAI自身を活用して作られたこのAIは、半導体コストでも電力消費でも大幅に安く市場に投入された。大方の評価によれば、その性能は米国の大手と同等か、場合によっては上回る。



