2. 女性の愛情は結婚初期にピークに、男性の愛情は安定的に推移
専門誌『Psychological Science』に2024年に掲載された縦断研究では、恋愛感情を実際の生活の中で測定するために非常に厳密な手法が用いられた。
米国の成人3867人を対象に行われたこの調査で、研究チームはアンケートで自分の恋愛関係を評価してもらうのではなく、携帯電話での日記を通じて10日間、30分ごとに愛情などの感情を記録してもらった。この調査は1年以上にわたって4回繰り返され、これまでにまとめられた経験に基づく愛の感じ方の調査の中でもリアルタイムに把握された最も充実したものの1つとなった。
主な結果として、異性愛のカップルでは婚約中、女性は男性の2倍以上の愛情を抱いていた。だが、結婚後2年以内に女性の愛情レベルは大きく低下し、その時点で男女の愛情レベルは同程度になった。男性の愛情レベルは緩やかに低下した。
この結果は、女性が結婚後に相手を愛さなくなることを意味するものではない。研究でも、全体として男女の愛の感じ方には多くの共通点があるという慎重な見解が示されている。
ただし、人生の各段階における愛情の推移について、男女間で重要な違いがあることを示唆している。女性は初期に急激なピークを迎え、その後の変化も大きい。一方で男性の愛情はより安定的で、緩やかな曲線を描く。
研究者らの解釈の1つは、女性の方が関係の各段階における感情の変化、特に初期のコミットメントに伴う高揚感や、やがて伴侶として落ち着いていく過程により敏感というものだ。
また別の解釈として、結婚後、女性の方が関係維持で多くの負担を担う傾向がある点も挙げられる。そのため、結婚生活における事務的な手続きや家庭内の現実が、交際やデート、さらには婚約期間中に2人を支えていた情熱的なロマンスをいくらか薄めてしまうことがあるかもしれない。
いずれにせよ、婚約から結婚初期への移行期にあるカップルにとって、このデータは、愛が確かに時とともに変わっていくという事実を裏付けている。相手があなたに対して抱いている愛は、2年前とは違うかもしれない。だがそれは愛が薄れたということではなく、単に男性と女性では受ける影響が異なる段階を経たに過ぎない。
研究が示す男性の恋愛の本質
前述の2つの研究は、相反する2つの社会的通念を同時に覆している。「男性は心を開かず、恋に落ちるのに時間がかかる」という通説は、男性は早く頻繁に恋に落ち、愛情を安定的に維持するという研究結果によって覆された。この安定性は長期的な関係において男性がもたらす、過小評価されがちな長所の1つだということが研究でますます示唆されている。
同様に、女性があらゆる面で男性よりもロマンチックだという見方は、そう単純なものではないことがデータで示されている。データでは、女性は初期段階ではより強い愛情を抱くが、結婚生活を続ける中でその愛情は男性よりも激しく変動する。
実際には、2人は異なるスピードかつ異なる感情のリズムを保ちながら異なる道を歩んで同じ目的地にたどり着く。そして目的地にたどり着くまでの経験がどれほど異なっていても、2人はともに持つ価値のある深く持続的な絆を築く能力を十分に備えている。
これらの研究は、どちらの愛し方が優れているかを示しているわけではない。研究からわかるのは、ペースや愛情の強さ、変化など相手の愛し方を理解することが相手に対してできる最も思いやりのある行為の1つだということだ。


