欧州

2026.03.24 09:00

ウクライナがロシア深部への攻撃を拡大 巡航ミサイル「フラミンゴ」、重要な軍需工場に命中

ウクライナ国産の巡航ミサイル「FP-5フラミンホ(フラミンゴ)」が発射される様子。製造元のファイア・ポイントが公開した動画から

ウクライナのドローン航空戦力

ウクライナ軍でドローン作戦の中心を担っているのは、無人システム軍第1独立センター(第14独立無人航空機連隊を再編)であり、大規模な長距離ドローン攻撃の調整にあたっている。この部隊は当初、民生用の装備と限られた訓練で運用されていたが、その後、ウクライナ初の縦深打撃専従ドローン部隊へと発展した。

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ウクライナのドローン作戦の規模は劇的に拡大している。米中央情報局(CIA)長官も務めたデイビッド・ペトレイアス米陸軍大将(退役)はこのほどブルームバーグ通信のインタビューで、ウクライナは現在、ドローンを最大で年間700万機生産している可能性があると言及した。ウクライナ軍ではすでに、偵察任務や片道攻撃任務をはじめとするさまざまな用途で、ドローンが1日あたり約1万機使用されているとも説明した。

ウクライナの縦深打撃能力は主に長距離攻撃ドローンに依存している。こうした作戦を可能にしているシステムのひとつとして、国産のAN-196リューティーが挙げられる。リューティーは、ウクライナが西側から供与されている兵器に関して、ロシア国内の目標に使用することを許可されていなかった時期に開発された長距離攻撃ドローンだ。

ウクライナのアントノウ社が手がけるリューティーは、ロシアが使用しているイラン設計のシャヘド136ドローンの国産の対応物として製造され、慣性航法と衛星通信を組み合わせたハイブリッド誘導方式を採用している。目標に接近すると、機体に搭載されたマシンビジョン(機械視覚)システムが終末段階の攻撃を誘導する。これにより、複雑な飛行経路をたどり、短距離防空を回避することが可能になっている。報告されている航続距離は1000kmを超え、弾頭重量は約75kgと推定されている。

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リューティーは1機あたり20万ドル(約3200万円)程度とされ、巡航ミサイルに比べればはるかに安価だ。そのためウクライナは、選択肢がミサイルに限られる場合よりもはるかに多くの長距離打撃兵器を使用することが可能になっている。比較的安価な長距離ドローンの生産を拡大することで、ウクライナはロシアの根本的な弱点のひとつを突くことができる。ロシアでは目標になり得る産業施設やエネルギー施設が非常に広大な国土に数多く点在するため、それらをまんべんなく守るのが難しいという点だ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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