欧州

2026.03.24 09:00

ウクライナがロシア深部への攻撃を拡大 巡航ミサイル「フラミンゴ」、重要な軍需工場に命中

ウクライナ国産の巡航ミサイル「FP-5フラミンホ(フラミンゴ)」が発射される様子。製造元のファイア・ポイントが公開した動画から

ウクライナの長距離打撃能力が拡大するにつれて、ロシアはそのきわめて広大な領土の防衛が難題になっている。ホッジスは「わたしなら長距離の精密打撃を兵器開発の最優先事項にします」と言う。「ロシア側は兵站面の負担は増すことになったものの、アセットをさらに後方に移動させることで(ウクライナ軍が米国から供与されて使用している)HIMARS(高機動ロケット砲システム)に適応しました。ウクライナ側は、敵がどこへ移動しようともそこに到達できなくてはいけないということです」

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ロシアの防衛面の難題はすでに顕在化している。ウクライナメディア、ウクラインシカ・プラウダの2025年1月の報道によれば、ロシアは西部エラブガ(アラブガ)にあるドローン工場を守るために、前線からパーンツィリ-S1防空システム少なくとも11基を引き抜くことを余儀なくされ、その結果、ほかの箇所で防空網に穴があいたとみられるという。防衛アナリストのオレナ・クリジャニウシカは筆者の取材に「ロシアの広大な領土が理由で、(ウクライナ側では)縦深打撃能力の開発が引き続き優先事項になっています」と説明した。

ロシアは首都周辺の防衛も強化している。ウクライナの軍事メディア、ミリタルニーは3月9日、オープンソースの情報として、ロシアは2025年5月から9月にかけてモスクワ周辺にパーンツィリ用の塔を43基前後設けたと伝えた。高所に設置すれば、この防空システムは低空を飛行するドローンや巡航ミサイルの探知・迎撃能力が向上する。とはいえ、主要都市を守るために防空部隊を配置転換すれば、やはりそのしわ寄せでほかの箇所で防御が手薄になる。

ウクライナによる攻撃はすでに、はっきりと認められる形でロシアの産業に混乱を引き起こしている。2025年5月には、ロシア国内唯一の光ファイバー製造工場がウクライナの攻撃で操業停止に追い込まれ、ロシアは中国からの輸入に一段と依存せざるを得なくなったと報じられている。

フラミンゴが1000km以上離れた目標に命中するたびに、ロシアの産業中枢の防御能力に限界があることが露呈する。ホッジスは「この戦争において戦略的に最も重要な進展は、ウクライナが非常に遠距離までロシアの石油・ガスインフラを攻撃する能力を獲得したことです」と語る。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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