「インデックスに勝つパフォーマンス」を続けてきた投資の実践

左からピーター・リンチ、阿部修平、ウォーレン・バフェット

左からピーター・リンチ、阿部修平、ウォーレン・バフェット

創業者・阿部修平の投資哲学を共有し、自由に発想しながらも長期的に勝ち続ける組織をどう維持するか――唯一無二の独立系投資運用会社スパークスが目指す「未来の投資運用会社」の姿とは。


阿部修平の投資哲学を継承する「仕組み」

司会:ここからはスパークスグループのCFO(最高財務責任者)として、財務戦略や内部管理、ガバナンスを統括されている峰松洋志さんにも入っていただき、スパークスの未来像についてお話をうかがっていきたいと思います。

峰松:よろしくお願いします。

藤吉:CFOという立場で、スパークスの未来像について考えてらっしゃることは?

峰松:そうですね。例えば今、阿部さんが話したようなブレない投資哲学を、次の世代にも引き継げるように「仕組み化」していかなきゃいけないな、とは考えています。

藤吉:スパークスには「バフェット・クラブ」という社内勉強会がありますよね。

阿部:それもあるし、昔は大学のゼミみたいに社内で輪読会をやってたんですよ。課題図書を決めて、担当を決めて発表してもらう。「遅刻したら正座」とか言って。

峰松:なぜか開始時間が少しずつ早くなっていたんですよ。

阿部:そうしたらあるとき、一人の社員がスススッと近寄ってきて「阿部さん、お願いがあるんですけど……6時半からだと始発に乗っても間に合わないんです」って(笑)。

峰松:今はそういうことはありませんが(笑)。それでも阿部さんには、ソロスさんのエピソードだったり、創業時の思いだったり、スパークスという会社の背景にあるものをできるだけ社員に話してくださいということはお願いしています。

藤吉:峰松さんは公認会計士として財務の責任者でもあるわけですが、例えばファンドの運用成績などもチェックされるんでしょうか。

峰松:運用者が真剣にやっていることは見えるので、そこはあまり心配してないですね。短期的なパフォーマンスがどうこうというより、長期的に必ず勝つことが大事なので。だから、さっき阿部さんも言ってましたが、みんなの新しい発想とかアイデアに対してお金を付けてあげて、運用を任せる、背中を押すということはやっていますね。

スパークスは「白」しかやらない

藤吉:長期的に勝つ組織を維持する、って実はすごく難しいお題ですよね。

峰松:そうですね。ただ、そのあたりの意識は共有されているんじゃないかとは思います。一言でいえば、みんな我慢ができるというか。

藤吉:我慢ができる。

阿部:僕が創業時から言ってきたことがあって。例えば投資の仕事していると、「黒」と「白」だけじゃなくて「グレー」の領域ってあるんですよ。「黒」がダメっていうのは誰でもわかるんだけど、「グレー」については儲かるのであれば、つい手を出しちゃう人もいる。意図的にじゃなくても、一生懸命やっているうちに知らぬ間に「グレー」になってしまっていることがあったりもする。だけどウチは絶対に「白」しかやらない。それが、会社として生き残っていくために最も大事なことだと僕は思っているんです。

峰松くんにはいろんなことをお願いしているのですが、彼の仕事の本質は「白じゃなきゃダメ」と言い続けてもらうことなんです。

藤吉:峰松さんからご覧になって投資運用会社を経営する上で最も難しいことは何ですか。

峰松:ひとつは「時間」でしょうか。阿部さんが言ったような「自由な発想」ができる場を確保したいと思いながらも、一方で上場企業として短期の業績を問われる部分もあるわけです。時間軸が違うものをバランスをとりながら両立させることが大事かな、と。

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text by Hidenori Ito

連載

市場の波に乗る12の視点 スパークス代表・阿部修平×Forbes JAPAN 編集長・藤吉雅春

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