日本株から「四つの柱」へ──スパークスの事業拡張戦略

藤吉:それはどういう状況ですか?

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阿部:網走にあるトヨタのテストコースに宿泊設備があるんですよ。で、僕が「世界の投資家は次はロボットだ、って言っているよ」という話をしたら、翌朝になって「昨晩の話、ちょっとちゃんと話しませんか?」と。実はその頃、トヨタでも「AI」「ロボティクス」「自動運転」にフォーカスした先端研究施設として「TRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)」をシリコンバレーに作ったところだったんです。だから世界の金融・投資の領域での動きに反応したんだと思います。

藤吉:それでLP(出資者)にトヨタが入って、最先端技術のスタートアップに投資する「未来創生ファンド」(2015年)ができたんですね。ポートフォリオにはタクシーアプリのGO株式会社やロボアド投資のWealthNavi、AIアルゴリズムのPKSHA Technologyなど錚々たる企業が並びますが、10年前の段階で注目されていたというのがすごいです。

阿部:このファンドは1号から3号ファンドまで展開して運用資産残高は約1161億円で、1号ファンドについては投資家への分配も進んでいます。それから宇宙関連ベンチャーに投資する「宇宙フロンティアファンド」というのもあります。ウチのベンチャー投資は今、国内で3番目の規模ですが、今年もまた新たにファンドを集めようと思っていて、新ファンドの設立を機にスパークスが日本で1番になることを目指しています。

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藤吉:始められて10年ちょっとですごい成長速度ですね。日本株、アジア戦略、再生可能エネルギー、ベンチャー投資、とこれだけ多様なアセットを一つの会社、しかも200人に満たない組織でやっているところって他にはないですよね?

阿部:ないと思いますね。今、スパークス全体として運用資産が2.2兆円になったので、これを3兆円にするというのが当面の目標です。

「自由な発想」で投資する

藤吉:ちなみに阿部さんの中で「よし、これに投資しよう」というのは何を基準に決めているんでしょうか。

阿部:一番大事にしているのは、「自由な発想」で投資しよう、ということです。投資運用会社が発電所を作るのはおかしいんじゃないか、とは考えない。そういう意味では投資家も起業家と一緒ですよ。起業家としてのマインドを持たないといけない。そのマインドに響くビジネスがあったら、「現地現物」で徹底的に調べる。徹底的に調べた上で「いける」と思ったら、自信を持ってベットするーーこれはもう僕たちの基本動作なんですよね。だから「4つの柱」もそれぞれバラバラに見えるかもしれませんが、すべて「スパークスの投資」としての考え方とか技をベースにしているという点では共通しているんです。

text by Hidenori Ito

連載

市場の波に乗る12の視点 スパークス代表・阿部修平×Forbes JAPAN 編集長・藤吉雅春

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