2026年4月に、投資家に検討してほしい銘柄はディフェンシブ株だ。その背景には、2026年に入って主要な株価指数3つがすべて下落しており、米国は中東で拡大する戦争に関与していることが挙げられる。原油価格の高騰も、インフレや景気後退への懸念を一段と強めている。
景気が好調で株式市場の見通しが明るい局面では、リスクを取る投資も有効だ。一方、先行きが不透明な状況では、値動きの小さい低ボラティリティ株が資産を守る役割を果たす。適切な銘柄を選べば、安定性だけでなくトータルリターンも確保できる。
4月に向け検討したいディフェンシブ銘柄5選
筆者は、安定性とトータルリターンの両立が期待できるディフェンシブ株を抽出するため、業種や売上・キャッシュフローの成長性、配当実績といった観点から上場企業をスクリーニングした。以下に、そこで使用した基準を挙げる。
(1)ヘルスケア、生活必需品、または公益事業セクターに属する企業であること
(2)負債資本倍率(D/Eレシオ)が1倍未満
(3)過去3年間でフリーキャッシュフローと売上高がともに成長している
(4)10年以上連続で増配している
(5)アナリスト評価で「強い買い」または「買い」が付与されている
(6)過去5年間のベータ値(特定の株が市場全体の動きにどの程度敏感に反応するかを示す指標)が0.75未満
これらの条件を満たす大手企業としては5社が挙げられる。それらの企業名(ティッカーシンボル)、時価総額、セクターを以下に掲載する(日本円の金額は、1ドル=159円で換算したもの)。ここには、筆者が長期保有しているプロクター・アンド・ギャンブルも含まれている。
ウォルマート(WMT):時価総額9970億ドル(約158.5兆円)/生活必需品
プロクター・アンド・ギャンブル(PG):時価総額3540億ドル(約56.3兆円)/生活必需品
メドトロニック(MDT):時価総額1140億ドル/ヘルスケア
ベクトン・ディッキンソン(BDX):時価総額460億ドル(約18.1兆円)/ヘルスケア
チャーチ・アンド・ドワイト(CHD):時価総額230億ドル(約3.7兆円)/生活必需品
以下では、各企業について見ていく。箇条書きの指標データはStockAnalysis.comに基づいている。
(1)ウォルマート(WMT)
◯株価:125.08ドル◯直近12カ月の売上成長率:0.64%◯3年間のフリーキャッシュフロー成長率:7.6%◯3年間の売上成長率:5.3%◯連続増配年数:53年◯5年間のベータ値:0.58
ウォルマートは、米国および海外で「Walmart」と「Sam’s Club」を展開するグローバル小売企業だ。同社はEコマース事業で年間1200億ドル(約19.1兆円)の売上を生み出しており、「Walmart Connect」と呼ばれる広告事業も拡大している。
WMT株を検討したい理由
ウォルマートは、世界的に認知された2つのブランドを軸に、分散された収益基盤を着実に拡大している。投資家にとっての魅力は、ディスカウント小売としての安定した需要に加え、テクノロジーを活用したEコマースや高収益の広告事業による成長余地を同時に取り込める点にある。
同社は配当実績でも際立っている。50年以上にわたり連続増配を続けており、株主還元の安定性は高い。配当利回りは0.7%と低いが、その背景には過去1年間で株価が48%上昇した事実がある。直近の第4四半期決算では、前年同期比で売上高が5.6%増加した。小売2事業とEコマース、広告のいずれもが2桁成長を遂げたことが寄与した。営業利益は10.8%増加した。



