海外

2026.03.26 14:00

フィンテック業界で膨らむ「持続不可能なバブル」、未上場市場がゆがめる評価額と広がる二極化

stock.adobe.com

機関投資家の資金がAI関連企業に集中、取り残される企業との格差が広がる

AIが投資の主軸テーマとなる中で、「AI革命の勝者」と見なされた限られた企業に、膨大な未上場資金が一斉に流れ込んでいる。ベンチャーキャピタルOak HC/FTの共同創業者兼マネージングパートナーであるアニー・ラモントは、「過去10年間の株式市場のリターンは、7銘柄によってけん引されてきた」と指摘する。こうした状況を踏まえ、機関投資家は次のメタやグーグルに乗ろうとしている。その結果、政府系ファンドや年金基金がOpenAIやStripeのような企業に直接投資する動きが広がり、評価額の上昇を招いているとラモントは述べている。

advertisement

企業向けデジタル銀行Mercuryの創業者兼CEOであるイマド・アクンドは、テックスタートアップの現状を間近で見ている。彼によれば、資金はAI関連企業に集中し、AIによるディスラプションの影響を受けやすいと見なされた企業からは流出している一方で、AIと関わりを持たない「第三のカテゴリー」に属する企業には、投資家の関心がほとんど向いていないという。「私はAIを主軸にしていない企業にも多く投資しているが、これらの企業は、たとえ業績が非常に好調でも、今は資金調達ができない」と彼は語る。

フィンテックに特化した投資銀行FT Partnersの創業者兼CEOであるスティーブ・マクラフリンは、ここ数カ月でAIに対する期待と懸念がこれまで以上に強まり、「投資家や企業が機会とリスクを見極めるうえで視界を曇らせている」と指摘する。

資金調達を目指すフィンテック企業の創業者は、AIをめぐるストーリーが求められる

投資家は、Anthropicが明日にもフィンテック企業の存在を根底から揺るがすような新機能を発表するのではないかと懸念している。Oak HC/FTのゼネラルパートナーであるマット・ストライスフェルドは、「資金調達を目指すフィンテック企業の創業者は、AIに関するストーリーを示す必要がある」と指摘する。

advertisement

四半期業績を把握できない未上場投資家が、中身の見えない箱に資金を投じ続けている

上位のフィンテック企業は、評価額や株価が上昇するにつれて希少性と需要が高まる高級品のような存在になっている。2025年上場したフィンテック融資企業FigureのCEO、マイケル・タネンバウムはそう語る。

この傾向がもたらす影響は何か。まず、IPOは今後減少する可能性が高い。その結果、かつてのようにテック企業が生み出す巨額の富の創出に、米国の株式市場の投資家が参加できる機会は限られていく。

また、AIバブルがはじけた際には、評価額が大きく見直されるリスクもある。ベンチャーキャピタリストのアニー・ラモントは、「多くの未上場投資家は投資先企業の四半期業績を把握していないため、現実を一時的に棚上げしている状態にある。いわば中身の見えない箱に投資しているようなものだ」と語った。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事