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2026.03.26 14:00

フィンテック業界で膨らむ「持続不可能なバブル」、未上場市場がゆがめる評価額と広がる二極化

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法人カード企業Rampの評価額、業界関係者から現実離れしているとの指摘

ニューヨークに拠点を置く法人カード企業Rampも、不可解に高い評価額を付けられた「勝者」の1社だ。2025年9月に、年換算の総収益が10億ドル(約1590億円)に達したと発表した同社は、その2カ月後に評価額320億ドル(約5.1兆円)で資金調達を実施した。ただし、多くの人が見落としている点がある。Rampが示す総収益は、カード決済時のインターチェンジ手数料や、銀行や提携先、顧客に還元するリワードなどを差し引いていない。つまり、上場している決済企業の多くが採用する指標である「純売上高」は、総収益より少なくとも40%は低い可能性が高い。この前提で計算すれば、2025年時点での同社の純売上高に対する評価倍率は約50倍(あるいはそれ以上)に達していたと見られ、これは2021年のフィンテックバブル期を想起させる水準と言える。

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Ramp広報責任者リンゼイ・マッキンリーは純売上高についてのコメントを控えたが、同社の売上は年率100%以上で成長しており、「キャッシュフローは黒字だ」と述べている。

約8189億円で買収されたBrexに対し、Rampの評価額はその約6倍

法人カード分野でランプと競合するBrexの売上は、2025年9月時点でランプを約30%下回っていた。その4カ月後の2026年1月、キャピタル・ワンは評価額は51億5000万ドル(約8189億円)でBrexを買収すると発表した。これに対して、320億ドル(約5.1兆円)というRampの評価額は、Brexの約6倍にも達している。成長率の高さを考慮しても、この評価の差は妥当といえるのだろうか。

このように未上場企業同士の間でも評価に大きなばらつきが見られる中で、投資会社コーチューの元ゼネラルパートナーで、ベンチャーキャピタルのマラソンの創業パートナーであるマイケル・ギルロイは、有力な未上場フィンテック企業の評価額が「まったく現実離れしている」と指摘する。彼は、「これらの企業の評価は、上場企業として取引された場合の水準とは、まるで同じ土俵にすら乗っていない」と語っている。

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翻訳=上田裕資

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