“中国版セグウェイ” 316ドルでシャオミが発売

発表された”中国版セグウェイの”Ninebot Mini. (Image via Xiaomi)



今年4月、中国のスマホメーカー、シャオミは8000万ドル(約96億円)を投じ、スクーターメーカーのナインボットを買収した。それと同時にナインボットは米国のセグウェイを買収していた。そして、その成果と見なされる製品が10月19日、発表された。

“中国版セグウェイ”とも言えるこの製品は「ナインボット・ミニ」と呼ばれ、316ドルで販売される。シャオミの得意技と言える、「同カテゴリの製品を、より低価格で投入する」という戦略に沿い、類似商品の約4分の1の価格で、当面は中国内限定で販売される。

セグウェイとの違いはひざの高さの位置にハンドルを装備し、ユーザーはひさの間にハンドルをはさみ、バランスを取りながら操縦する点。シャオミによると、このハンドルはナインボットの最新技術を用い、ユーザーの膝の動きを検知するという。

専用のスマートフォンアプリも用意され、盗難防止アラームの設定も可能だ。シャオミによるとナインボット・ミニは一回の充電で22キロの走行が可能。最大速度は時速16キロ。体重85kg以下のユーザーに対応し、製品自体の重さは類似製品に比べ軽量で、12.8kgとなっている。

今回のナインボット・ミニはナインボット社がセグウェイを買収して以来、初めて発表された製品。セグウェイ社についてナインボットは「弊社の完全なる子会社」と記載している。

シャオミはナインボットへの出資を、セコイア・キャピタル、上海キャピタル、ウエストサミットキャピタルらと共同で行っていた。シャオミの発表資料には同社の創業者、レイ・ジュンがナインボット・ミニを片手で持った写真が掲載されている。

米ニューハンプシャー州のディーン・ケーメンが2001年に創業したセグウェイの製品は、現代のホバーボード(hoverboard)と呼ばれる製品に比べ非常に大きな車輪を持ち、腰の高さのハンドルを備え、ジャイロスコープでバランスを取って走行するのが売りだった。

セグウェイは発表当初、世紀の大発明と喧伝され、スティーブ・ジョブズやベンチャーキャピタリストのジョン・ドーアらからも賞賛を集めたが、マネタイズには苦戦した。今でも見かける場は、ショッピングモールや空港内の警備の現場などに限定されている。

2014年9月、セグウェイはナインボットが同社の特許を侵害したとして、同社製品の米国への輸出を阻止しようと試みた。(現在、ナインボットは電動一輪車をアマゾンで約800ドルで販売している)。
そのわずか半年後にナインボットはセグウェイを買収。「両社の製品は、別のブランドとして販売を継続する」と発表していた。

文=パーミー・オルソン(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

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