この現象は、OpenClawの甲殻類のロゴに由来する。世界第2位の経済大国である中国では、あらゆる層のユーザーがこのサービスのインストールに殺到している。チャットだけでなく、ファイル管理、メール返信文の下書き、チケット予約といったタスクもこなせるためだ。テンセントをはじめ、AIモデル開発企業のMiniMaxやZhipuなど中国企業も最近、OpenClawと互換性のあるサービスを相次いで投入し、エージェントのインストール、カスタマイズ、デプロイをより容易にするとしている。
マーによれば、WeChat内に投入予定のエージェントは、同メッセージングサービスに組み込まれたミニプログラムと接続できるため、14億人超のユーザーに対してタスク実行も可能になる。ミニプログラムは現在、数十万に上り、買い物からフードデリバリーまで幅広い。
ただし経営陣は、エージェントの提供時期については明らかにしなかった。カンファレンスコールでポニー・マーは、同社は急いでおらず、着実に時間をかけて製品を仕上げていると述べた。
その間、テンセントはすでに提供を開始しているデジタルアシスタント「元宝(Yuanbao)」のプロモーションにより多くの資金を投じる。モルガン・スタンレーの推計によれば、同社はアリババやバイトダンスなど他のテック大手とともに、2月の春節(旧正月)1週間の休暇期間中に計11億ドルの補助金を投じ、AIチャットボットを使って映画チケット購入や食事の注文をした消費者に割引やクーポンを提供した。
経営陣は春節キャンペーンの成果に満足していると述べたものの、元宝は依然として人気で後れを取っている。中国のランキングサイトaicpb.comによれば、3月時点の月間アクティブユーザー数は1560万人で、アリババの「Qwen(通義千問)」(月間アクティブユーザー数3300万人)や、バイトダンスの「Doubao(豆包)」(9890万人)を下回った。
それでも、ジェフリーズの香港拠点アナリスト、トーマス・チョンは楽観的な見方を示している。3月19日付のリサーチノートでチョンは、テンセントの強みとして、巨大なユーザーベースと多数の消費者向けサービスを挙げた。「テンセントは、強い実行力とエコシステムに支えられ、AIエージェントを取り込むうえで絶好のポジションにある」とチョン氏は記している。


