投資家への警告──株価急騰は事業確立の証拠ではなく、収益面では損失を出し続けている
一方本稿冒頭で紹介したフェアランブは、投資家は初期の株価急騰を事業がすでに完全に確立された証拠として扱うべきではないと警告した。「今回の急騰は、完全に実証された事業というよりも、需要、ナラティブの強さ、比較的少ない流通株を物語っている。特にSwarmerはまだ収益面で初期段階にあり、損失を出し続けている」と彼女は指摘した。
実戦実績を西側との継続的な契約につなげ、顧客を多様化できるか
これは、Swarmerが次に何になるのかという、より大きな問いを残す。ウクライナと米国にオフィスを持つコンサルタント会社トライデント・フォワードのオペレーション責任者、フェディル・マルティノフは、Swarmerの最も強力な長期的立場は製造ではなくソフトウェアにある可能性が高いと主張した。「彼らにとって最も強力な道は、従来のドローンメーカーというよりも、自律性とソフトウェア層としてである可能性が高い」と指摘した。
「彼らにとって最も有力な道筋は、従来型のドローンメーカーとしてではなく、自律制御とソフトウェアのレイヤーとしての役割だろう」と彼は述べた。Swarmerがウクライナでの実戦実績を、西側諸国との継続的な契約獲得につなげられるかどうかが鍵だという。現状の契約状況がウクライナのドローンメーカーほぼ1社に依存という状態から脱し、顧客を広げることができれば、防衛ソフトウェア分野における真に重要なプレイヤーになりうると彼は加えた。そうでなければ、知名度は高いが未成熟なまま公開企業にとどまるリスクがある。
投資家がウクライナ防衛技術を可能性ある投資分野と見なし始めた兆候か
Swarmerの上場は、ウクライナの防衛技術について、投資家が長期的な輸出と商業的可能性を持つ投資分野と見なし始めた兆候かもしれない。「Swarmerの上場が最後になる可能性は低い」。そう指摘するのは、ウクライナのNGO「PR Army」で渉外・政策提言を担うアドボカシーマネージャー、マルク・サフチュークだ。「我々全員が確実に知っているのは、将来さらなるIPOがあるということだ」。
Swarmerは、例外的存在というよりも、防衛投資が次に向かう先を示す初期事例となる可能性がある。特に現在、イランが関与する紛争をきっかけに、ウクライナがロシアのドローン攻撃に対抗するために編み出した“安価な手段で大量のドローンを迎撃する”手法への需要が世界的に高まっており、その追い風はなおさら強い。


