音楽

2026.03.29 15:00

ストリーミングの時代でも「ベスト盤」が売れ続ける理由

Walter Cicchetti - stock.adobe.com

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Billboard 200チャートには、新作リリースに混じって、スタジオ録音のヒット曲を集めたコンピレーションアルバムが数多くランクインしている。ヒット曲をアルバムにまとめるという手法は、LPというフォーマットとほぼ同じくらい長い歴史を持つ。

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3月14日終了週のチャートには30枚以上のコンピレーションがランクインしており、約70年にわたってレコード業界に数百万ドル(数億円)の収益をもたらしてきたこのフォーマットが、いまだに健在であることを示している。ベストアルバムの終焉が語られることも多いが、かつての業界全盛期に比べて売上は落ちているものの、市場での存在感と収益性は依然として保たれている。

歌手ジョニー・マティスが1958年にリリースした『Johnny's Greatest Hits』(チャートデビューからわずか1年後の発売)は、最初のコンピレーションアルバムとして認知されており、このフォーマットの商業的価値を確立した。

ベストアルバムはレコード会社にとって大きな経済的魅力がある。既存のマスター録音を再パッケージ化することで、新たな大きな支出を伴わずに多額の収益を得ることができるからだ。すでにお気に入りのアーティストの全作品を購入している熱心なファンを惹きつけるため、一部のコンピレーションには他では入手できない新録音トラックなどの特典が含まれることもある。多くの場合、ベストアルバムは契約上の義務の結果として生まれるが、アーティストがツアー中やレコーディング中、あるいは新作がすぐに出せない状況にある間の商業的な空白を埋めるのにも都合がよい。

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ベストアルバムのタイトルは一般的に独創性に欠けることが多いが、これは消費者に内容を明確に伝え、売上を最大化するためである。注目すべきは、IFPI(国際レコード産業連盟)が発表した2025年の世界アルバム売上トップ20には、ベストアルバムのリリースが1枚も含まれていなかったことだ。

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