音楽

2026.03.29 15:00

ストリーミングの時代でも「ベスト盤」が売れ続ける理由

Walter Cicchetti - stock.adobe.com

ヒットコレクションとストリーミング

世界的な音楽ストリーミング利用者数の増加が、コンピレーションを含むフィジカルリリースの市場を縮小させていることは間違いない。Spotifyは最近、アーティストへの多額のストリーミングロイヤリティ支払いを発表したが、NMPA(全米音楽出版社協会)などのソングライター団体は、YouTube、Apple、Amazon、TikTokなどのオンラインストリーミングプラットフォームによる支払いの公平性に異議を唱え、ロイヤリティ率が極めて低いと批判している。

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リスナーがストリーミングでプレイリストを簡単に作成できるようになったことで、目的別に編集されたベストアルバムの存在意義を疑問視する声もあるが、そうしたリリースは依然としてファンを惹きつけている。

さらに、最近のBillboard 200チャート週には、ストリーミング時代以前に遡るコンピレーションが多数ランクインしている。1976年の記録破りのクアドラプル・ダイヤモンド認定を受けたイーグルスのアルバム『Their Greatest Hits 1971-1975』がその代表例だ。このアルバムは現在までに521週間チャートに留まり、1976年3月には首位を獲得、バンドにとって恒久的な収入源となっている。

現在チャートインしているストリーミング以前のベストアルバムには、フリートウッド・マックの8倍プラチナ認定『Greatest Hits』(1988年)、クイーンの5倍プラチナ認定『Greatest Hits』(1981年)、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのダイヤモンド認定『Chronicle: The 20 Greatest Hits』(1976年)、同じくダイヤモンド認定のジャーニー『Journey's Greatest Hits』(1988年)、そして同様の認定を受けたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの『Legend』(1984年)などがある。

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これらのコンピレーションは、発売時期が早かったことで、ストリーミングとの競合が市場全体の収益性に影響を与える前に、フィジカル盤からの収益を上げてきた。クイーンやボブ・マーリーのケースのように、さまざまなジャンルにまたがるこうしたベストアルバムの多くは、皮肉なことにストリーミング時代にチャートのピークを迎えている。若い世代のオーディエンスがレーベルのプロモーションや映画・広告とのタイアップを通じてその音楽に出会っているからだ。

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