2026.03.23 07:00

相次ぐ航空便の乱れやチケット高騰、今夏の海外旅行はアリかナシか

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ニューヨーク・タイムズ紙が図解しているように、現在は多くのフライトが以前よりも長い距離を飛行し、燃料を多く消費していて、これも運賃の上昇につながっている。ロシアが2022年にウクライナに全面侵攻する前、フィンランドのヘルシンキから日本の東京へ向かうフライトはロシア領空を通過していた。けれど現在は、黒海上空を横切る南回り、もしくは北極圏上空を通る北回りというより長距離のルートを取らざるを得なくなっている。いずれも飛行時間は以前の9時間よりも3時間以上長くなっている。同様に現在、イラン、イラク、シリア、バーレーン、カタールの上空を飛行する民間機はほとんどなく、迂回ルートの使用にともない飛行時間が伸びている。言うまでもなく、二酸化炭素排出量の増加による環境への影響も無視できない。

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イラン情勢だけではない空の旅の不安材料

航空データ分析会社のシリウムによると、今夏の航空券予約は前年の同じ時期に比べて、欧州から米国への便で14%、米国から欧州への便で7%減っている。

エミレーツ航空やエティハド航空などが限定的に運航を再開し、中東発着路線の一部は復旧しているものの、世界の旅行には依然として相当な制限や不安が残っているのが実情だ。

・米国は3月上旬、自国民に対して中東の14カ国などからの退避を勧告した。対象はバーレーン、エジプト、イラン、イラク、イスラエル、占領下のヨルダン川西岸とガザ地区、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、UAE、イエメンだ

・南米のエクアドルでは、組織犯罪対策で米国との共同軍事作戦が始まり、旅行予定者の間で訪問しても安全なのか疑問が広がっている。これに関してコンデナスト・トラベラーは、ガラパゴス諸島、クラウドフォレスト、キト、クエンカ、コカ周辺のアマゾン地域など、主要な観光地に滞在するのであれば問題ないとする専門家の見方を伝えている

・同じく南米のキューバでは、エネルギー供給の制限が強まり、停電も頻発しており、そうした状況に対する抗議デモも起こっている

・メキシコでは2月に麻薬カルテルの首領が死亡し、その後、国内各地で暴力事件が相次いだ。そのあおりで国外からの旅行需要も落ち込んでいる。当時、太平洋岸のリゾート、プエルト・バヤルタでは数千便が欠航となり、多くの訪問者が帰国に苦労した

・米国では、政府閉鎖の影響で主要な空港が人手不足に陥り、その結果、利用者の待ち時間がたいへん長くなっている。テキサス州ヒューストンやルイジアナ州ニューオーリンズの空港では、最長で3時間も待たされる行列ができているとのことだ

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翻訳・編集=江戸伸禎

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