マーケティング

2026.03.21 12:06

AI検索がSEOを変える ランキング競争からレコメンド獲得へ

AdobeStock

AdobeStock

昨年の夏、私はポルトガルにいた。そこで面白いことに気づいた。誰が「ChatGPTツアー」で街を巡っているか、ほぼ見分けがつくのだ。人々は、AIが生成した同じ行程表に従い、ある眺望地点から次の眺望地点へと、目的意識を持って移動していた。

advertisement

その瞬間が強く印象に残ったのは、いまSEOに起きていることを的確に捉えているからである。

過去20年ほどの大半で、SEOが意味していたのはほぼ1つだけだった。Google(と、ときにBing)でどの位置に表示されるか、である。顧客の購買行動はおなじみのものだった。誰かが検索し、リンク一覧をざっと見て、クリックし、探索する。

しかしいま、その道筋はますます「質問する、答えを得る、行動する」へと移っている。その道筋を形づくるプラットフォームには、ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity、そして検索結果にAI要約(GoogleがAI Overviewsと呼ぶもの)を挿入しているGoogle自身も含まれる。Googleは、これらのオーバービューを「主要情報と、さらに掘り下げるためのリンクを含むAI生成のスナップショット」と説明している。また、AIの回答には誤りが含まれ得るとも注意を促している。

advertisement

マーケターは、この変化にAEO、AI SEO、GEOなど、さまざまな名前を付けようとしている。重要なのは略語ではなく行動だ。検索は、ランキングからレコメンドへと移行している。

従来のSEO指標の信頼性が低下している理由

AI要約が表示されると、多くのユーザーはウェブサイトをまったくクリックしない。Pew Research Centerは、「AI要約に遭遇したユーザーは、要約を見ないユーザーよりも他のウェブサイトへのリンクをクリックしにくい」ことを明らかにした。さらに、AI要約がある場合、要約内で引用されている出典へのクリックはまれである。

これは重要だ。多くの企業が依然として、SEOを主に自然検索トラフィックとランキングで評価しているからである。これらの指標が消えるわけではないが、不十分になりつつある。可視性は、クリックの前に、回答レイヤーの中で直接付与されるようになっている。もし自社ブランドがそのレイヤーに存在しなければ、検討対象にすら入らない可能性がある。

新しい消費者の購買行動は、短縮され会話的になっている

従来の検索行動では、消費者は複数回検索を行い、選択肢を比較し、レビューを読み、意思決定の前にいくつものウェブサイトを見て回ることが多かった。

AIファーストの行動では、そのプロセスが圧縮される。ユーザーは自然言語で大まかな質問をし、候補の短いリストを受け取り、1つか2つの追加質問をしてから行動に移る。AIは情報を取り出すだけでなく、進むべき道筋を形づくっている。まさにそれを、私はポルトガルの街路で目にした。「調査」は会話の中で完結し、そのまま行程が実行に移されていたのである。

この変化は、SEOで勝つことの意味を変える。もはや「見つけてもらう」だけではない。「薦められる」ことが重要になる。

AIに推薦されるために必要なこと

AIアシスタントがあなたのビジネスに言及することを保証する単一の裏技は存在しない。確実な公式を約束する人がいるなら、おそらく単純化し過ぎている。しかし、勝率を一貫して高める実践的な打ち手はある。それらは、あなたのビジネスを理解しやすく、信頼しやすく、引用しやすくするからである。

1. マーケティングするためのコンテンツではなく、答えるためのコンテンツを書く

AIシステムが浮上させやすいのは、売り文句ではなく、明確な説明や意思決定の支援である。コンテンツが曖昧で、過度に宣伝的で、薄い内容であれば、アンサーエンジンにとっての有用性は低い。

2. ビジネスを解釈しやすくする

AIシステムは、一貫性によって確信を強める。サービス内容、ポジショニング、「会社概要」情報が、自社サイトや公開プロフィール間で不明確だったり整合していなかったりすると、推薦されにくくなる。

3. 自社サイトの外側で信頼性を築く

AI主導の環境では、第三者による検証がいっそう重要になる。信頼できる参照は、そのビジネスが実在し、認知され、取り上げるに値することの確立に役立つ。ここはまた、従来型のPRやソートリーダーシップが静かに効いてくる領域でもある。

4. 人々がAIに助けを求める際の問いかけ方を反映したコンテンツを作る

AIへの問い合わせは、「Xに最適な選択肢」「どう選べばいいか」「もし〜ならどうすべきか」といった形で表現されることが多い。そうした質問に対応し、直接的な回答と役立つ構成を備えたコンテンツは、利用されやすい。

5. SEOのパフォーマンス測定の方法を拡張する

自然検索トラフィックは依然重要だが、それだけが指標であってはならない。AI生成の回答の中で、自社ブランドがいつ、どこに表示されているのか、そしてどのトピックと結び付けられているのかを把握する手段が必要である。

リーダーにとっての要点

SEOの環境が変わっているのは、消費者行動が変わっているからである。人々は調査プロセスのより大きな部分をAIに委ねており、従来の検索エンジンでさえアンサーエンジンになりつつある。Google自身のAI Overviewsに関するドキュメントは、この方向性を明確にしている。

AP Newsが報じた最近のAP-NORCの世論調査では、米国の成人の60%が情報検索にAIを使っていることが示された。戦略がいまだに、顧客の購買行動が青いリンクとランキングで始まり、そこで終わるという前提に立っているなら、すでに遅れている。新たな目標は、リンクだけでなく、意思決定が形づくられている場所、すなわち回答の中で可視性を獲得することである。

旧来のSEOモデルでは、ランキングによって注目を勝ち取った。新たなモデルでは、システムが推薦できるほど信頼するブランドであることで、検討の俎上に上がる。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事