背景には、米海軍の最新鋭原子力空母「USSジョン・F・ケネディ(CVN-79)」の引き渡し遅延がある。当初、昨年7月に完了する予定だった同艦の引き渡しは、2027年3月に延期された。
ガルビンによれば、ニミッツは来年3月まで就役を継続するが、どのような役割を担うかは不明だという。「現時点では、ニミッツが実戦に配備される可能性は低そうだ。報道によると、同艦は米南方軍(SOUTHCOM)の管轄区域を巡回し、パートナー諸国を歴訪するとみられる。(米海軍が)南米諸国と実施する共同演習『サザン・シーズ2026』に参加する可能性が高いとの報道もある」
ニミッツの再展開は可能か、炉心寿命がカギ
ニミッツに関しては艦体の老朽化と、さらに重要な点として原子炉の核燃料棒の寿命が、米海軍にとってただちに検討すべき主要課題になりそうだ。ニミッツは2001年に炉心交換と大規模オーバーホール(RICOH)を完了しており、すでに遠方への配備が不可能な段階にきている可能性が否めない。
もっとも、大西洋やカリブ海での作戦参加は可能かもしれない。
米海軍協会が運営する国防・海事専門ニュースサイト・USNIニュースは3月14日、「米海軍は空母の核燃料残量を厳重に管理している。過去に、原子炉燃料棒の交換待機中の空母が航空要員の訓練プラットフォームとして近海演習に参加したこともある」と報じている。
これは、米海軍がニミッツのノーフォーク到着を急いでいない理由の説明になり得る。ニミッツは恐らく中南米の同盟国・友好国に寄港するだろう。最後となるであろう航海で、星条旗を掲げて米国の存在感を誇示するためだ。
海軍戦術と先端技術に詳しいヘリテージ財団アリソン国家安全保障センターのブレント・サドラー上級研究員は、「従来の艦隊ローテーションに従うなら、ニミッツはあと1回、2027年初頭に配備される可能性がある。その合間には、海軍の作戦概念や技能向上のための訓練・演習でさまざまな役割を担える」と指摘する。
ニミッツがノーフォークに到着するまでには、まだ数週間かかる。


